こんにちは、MARCUSです。
『品質保証ってどういう仕事?』『品質保証の具体的な仕事って何?』『なにか仕事をする上で大切なことは?』
そんなあなたの疑問にお答えします。
本記事の内容
①品質保証とは?
②なぜ品質保証が必要なのか?
③品質保証担当者に求められること
建設現場・工場・プロジェクトマネージメントなどでも、モノづくりに関わるようになると『品質保証』という言葉をよく耳にします。
具体的に何をしている部門やスタッフなのか説明できますか?
ううん、、、何かを検査したりする人?
実際に仕事上で関わりがあるとか、その部門で実際に働いている人でなければ、イメージしづらい仕事ってありますよね。
今回は『品質保証』について説明していきます。
日常的に品質保証と仕事をしている建設系プロマネの私@PMPが書いていきます。
目次
①品質保証とは?
まずは結論ですが、品質保証とは『全てのプロセスを通して、製品の品質を保証する全ての活動』のことで、英語では『Quality assurance』、『QA』と略されます。
英語のAssuranceは『保証、裏付け、確実性』といった意味の単語ですので、『品質の確実性を裏付けをする活動』と言い換えることもできます。
実際に、品質保証のことを百科事典では以下のように書いています。
QAと略称することが多い。JISにおいては、消費者の要求する品質が十分に満されることを保証するために、生産者が行なう体系的活動(JIS Z 8101)と定めている。この品質保証の目的を達成するために,生産者は市場における消費者のニーズや製品の使用条件をよくしらべ,これにもとづいて商品企画を立てることから始まり、研究開発や製品設計を行い、生産準備、生産、販売およびアフターサービスに及ぶ各段階において品質を確保する活動を行うことになる。
世界大百科事典 第2版
品質保証の主な業務内容は、以下になります。
①製品やサービスが決められた品質を維持するために必要な仕組みを構築する。
例)材料・設計等の仕様書作成、QC工程表の制定など
②既定の品質を確保できているかを根拠となるデータの確認や調査をする。
例)出荷検査項目制定、チェックシートの作成運用など
③納品後の顧客からのクレームに対応し、各部門に改善をフィードバックする。
例)クレーム報告書の作成、工程改善提案書の作成回覧など
品質保証活動は、ただ品質の検査結果を確認して合否を出すだけじゃないってことですね。
納品される材料の品質が保たれているか、プロセスは設計通りの手順で進んでいるか、工程検査のデータは基準値内で推移しているか、完成品の品質基準は顧客との取り決め内でできているかなど、材料の調達から製品の出荷販売まで全工程・プロセスにわたって品質レベルを管理することにあります。
品質上の欠陥や不具合などのクレームにも対応し、検査記録や出荷データを調査することでその異常原因を特定し、工場や施工者などに改善を提案する活動も含まれます。
ポイント
つまり品質保証の仕事は『顧客目線』でその要望に応えるため、調達・製造・出荷・販売の各プロセスにおいて品質が一定の水準をクリアしているかを管理する仕事であり、製品のライフサイクルを通して販売したモノやサービスの品質に責任を負うことだと言えます。
品質の良し悪しを判断するだけでなく、ビジネス全体を支える仕事って言えますね。
【そもそも品質って何?】という方は、こちらの関連記事をどうぞ!
品質管理との違い
品質保証と品質管理の違いは、『立場・視点の違い』です。
品質管理は『出荷前に製品やサービスの品質に問題がないかを検査確認する活動』のことで、英語では『Quality Control』、QCと略されます。
英語のControlは『制御・管理・統制』といった意味ですので、生産プロセスに目を光らせ『品質に不良が出ないように管理統制する活動』というイメージが合うかもしれません。
検査業務と同時に生産プロセス内で不良品を出さない管理や手段を構築して、効率よく低コストでモノづくりをする視点も求められるということも品質管理活動の特徴と言えます。
品質保証QA:買い手(顧客)目線でプロセス全体の品質を維持・管理する仕事
品質管理QC:作り手(生産者)目線で生産プロセス内の不良品を低減する仕事
品質管理は、製造プロセス内の検査部門として活動し製造部門内で活動を完結することが多いですが、品質保証部門では、購買・設計・製造・出荷・販売など多くの部門を巻き込んで活動を進めます。
そういう意味では、品質管理QCは品質保証QAの一部であるということがわかります。
②なぜ品質保証が必要なのか?
結論としては『ブランド力を向上して、ビジネスの拡大に貢献するため』です。
品質保証とは、調達から出荷・販売までの全プロセスチャンネルを通した品質維持活動であるとお話しました。
では、なぜある一定水準の品質を維持管理する必要があるのでしょう。
それは、『顧客の満足度を出来る限り高めることでブランド力の向上、しいては将来のビジネス拡大につなげるため』だと私は考えます。
例え価格の安い製品やサービスであっても、出来る限り不良や欠陥を無くしてクレームを少なくすることは、そのまま『顧客からの信頼』につながります。
信頼が得るということは『自社のブランド力向上に直結しますので、既存顧客のリピートにつながるとともに新規の顧客獲得も同時に期待すること』ができます。
また、不良クレームが減ればクレーム処理に伴う代替製品の費用・調査費・出張費といった各経費を削減することができますので、ブランド力の向上とともに経費削減による利益アップにもつながり一石二鳥の活動です。
つまり、直接製品を販売することがない品質保証という仕事もその活動は『全プロセス・部門を巻き込みながらブランド力の向上や売上拡大に貢献している』イコール、『品質保証は企業活動には必要不可欠である』という結論になりますね。
③品質保証担当者に求められること
品質保証を担当する方は『社内外含め、Win-Winの関係作りを意識すること』が求められます。
一方の立場に立って、あるべき論(正論)をもう一方だけに押し付けていると活動が停滞してしまい、品質保証部門であるあなたのパフォーマンス評価に影響を及ぼしてしまうためです。
『顧客から品質クレームがあった』という場合をケーススタディに見てみましょう。
クレーム対応した品質保証部門であるあなたは、材料入荷から製造・製品出荷に至るまでの全ての工程記録、検査記録を一から調査し、プロセス内で何か異常がなかったか製品欠陥の原因を特定します。
『製造工程の検査プロセスで規定された品質レベルをわずかにオーバーしていた製品であった』ということを発見し、製造部門や検査担当者へと記録に間違いがないか状況を確認することができました。
工程改善の打合せであなたは、製造部門に対し
「工程内検査で基準を外れたものは、後の工程に送らないでください!」
と、反論の余地のないあるべき論を一方的に展開してしまいます。
このような場面では、品質クレームに対し負い目を感じている製造部門ではありますが、現場の事情も知らない品質保証部に反論の余地のない正論を言われた感情的になってしまう可能性があります。
「そんなことはわかっている!」
とりあえず、製造部門が改善案を受け入れ打合せは終わるでしょうが、社内の雰囲気は最悪の状態になってしまうでしょう。
正論自体は決して間違ってはいませんし、買い手目線で品質を保証する立場であるあなたとしては、市場や顧客の信頼を得るためには言うべき内容かもしれません。
ただ、作り手の立場でもう少し考えてみれば、何かやむを得ない理由が他にあったかもしれないのも事実です。
「普段からバラツキが大きい検査方法だったので、大丈夫だと思った」
「出荷スケジュールがタイトで製品ロスがあると納期に間に合わなかった」
『バラツキの少ない検査方法を生産技術部門と確立する』『営業部門と出荷スケジュールを調整して欠陥製品の場外流出を防ぐ』など、買い手側である品質部門としても、作り手側に寄り添った工程改善を実行できたかもしれません。
製造部門に改善を依頼すると同時に、自分たちも違った切り口で一緒に別の対策を実行するということであれば、製造部門からの反応もきっと違ったかもしれませんね。
『対象となる部門や担当者が協力しあってお互いにメリットがあるWin-Winの関係で工程改善をしていくこと』が【品質保証の活動の基本】だと私は思います。
同じ社内で【敵と味方】になるような状況は避けたほうがいいですよね。
社内の改善活動が効果的に進み品質が向上されるということは、同時にクレームの低減にもなります。
顧客での材料品質ロスの削減にもつながり、結果的に顧客にとってのメリットにもつながります。
つまり、品質保証活動においては『社内・社外を含めたWin-Winの関係作りを意識することによって、ブランド力の向上、売り上げ拡大への貢献をいう最終目標に近づける』ということです。
品質保証担当者は、このことを念頭に各部門との活動を進めるようにしてください。
まとめ
本記事の内容
①品質保証とは?
②なぜ品質保証が必要なのか?
③品質保証担当者に求められること
今回は、『品質保証』についてその意味や仕事内容について記事にしました。
「工場でもプロジェクトでも何かとウザい!」と言われがちな品質保証部門ではありますが、その目的や効果をよく知れば【プロマネなどの責任者の方】は積極的にコミュニケーションを図り、品質レベルの維持向上に努めるべきです。
自分が担当しているプロジェクトの品質をよくしようとしてくれる人がいるなんて、最高じゃないですか!
それでは、今回は以上です。