こんにちは、MARCUS(マーカス)です。
「ライフサイクルってなんのこと?」「具体的には?」「それでなにが言いたいの?」
そんなあなたの質問に、お答えます。
本記事の内容
その①ライフサイクルとは?
その②ライフサイクルを具体的に!プロダクトとプロジェクト
その③なんでライフサイクルが大切なのか?!
今回は、「ライフサイクル」についてご説明します。
読み終えれば「なぜマーケティングやプロジェクト管理でライフサイクルが重要なのか」がわかるようになると思いますよ。
事業戦略や業務効率向上のために必須の概念ですよ!
それでは、プロマネ歴12年でPMPのわたしが書いていきます。
目次
その①ライフサイクルとは?
ライフサイクルとは一言でいうと「一生」のことです。
改めて言葉の定義ですが、ライフサイクルとは以下の通り。
ライフサイクル(Life Cycle)
Weblio辞書
1 生活環。
2 人間の一生をいくつかの過程に分けたもの。
3 ある製品が開発され、発展普及し、やがて新製品の開発によって衰退する一連の過程。製品の一生。
わかりやすいように「人間の一生」を例えると、「生まれてから亡くなるまで」「始まりから終わり」が人生であり、ライフサイクルです。
一般的にライフサイクルというと「始まりと終わり」の一言で片付けられますが、あなたが知りたい「ビジネスでのライフサイクル」の場合はまだ続きがあります。
さらに人間の一生で例えます。
10代、20代となんとなく歳を取っていくだけのように見える一生でも、心身の成長や人生のイベントに合わせて「幼年期~高年期」まで合計6つのサイクルに区分されています。
幼年期0~4歳
少年期5~14歳
青年期15~29歳
壮年期30~44歳
中年期45~64歳
高年期65歳以上
ここで注目すべきなのは「区分(サイクル)があること」です。
幼年期であれば小中学校入学、青年期であれば学校を卒業して社会人として働き始めるなど、それぞれの区分で共通した出来事があります。
「始まりと終わりがある」という事実とともに、それぞれの年齢、時期に「誰もが似たような経験」を経て、成長するという共通点です。
「始まりから、同じような経路をたどって、終わりが来る」
これを展開した考え方が「ビジネスでのライフサイクル」です。
ビジネスでは、一連の過程で共通した時期に同じようなことが起こるということに着目して、マーケティングやプロジェクト管理に役立てようとする手法が確立されています。
「最適な時期に最適なソリューションによって最高の結果を得よう」とすることで、最小のコストで最大の利益を達成するための手法、手段です。
時期の大切さがわかる極端な例としては、
例えば、青年期(15~29歳)の若者に定年後の蓄えとして、株式投資や財形貯蓄について売り込んだとします。
反応は鈍く、さんざんな結果になることが容易に予想できますね。
まだまだ遠い未来の感じる30年後の定年のことを、若くチェレンジ精神旺盛な20代に語っても、時期尚早でしょう。
ところが、家族や持ち家もあり、将来の蓄えについて考え始めた「壮年期(30~44歳)の人」に同じ話をするとどうでしょうか?
あなたの説明に対する反応や興味は、全然ちがう結果になります。
年齢だけ見れば15歳も違わない青年期と壮年期ですが、自分の置かれた環境や経験から、定年後の蓄えについての捉え方が大きく違っています。
これが、「同じソリューションの提案でも時期が大切だ」というビジネスでのライフサイクルの考え方に通じます。
少し短絡的な例えですが、これがビジネスをするときに重要な「最適な時期」に「最適なソリューション」を提供するという基本的な考え方です。
それでは、次にもう少し具体的にビジネス上でよく使われる「ライフサイクルの例」について見ていきましょう。
その②ライフサイクルを具体的に!プロダクトとプロジェクト
よく使われるライフサイクルは以下の通り。
ポイント
①製品・ライフサイクル(プロダクト・ライフサイクル)
②プロジェクト・ライフサイクル
①製品・ライフサイクル(プロダクト・ライフサイクル)
一つの新製品が「開発され、販売、普及、その後販売停止」になるまでの一連の過程を「製品・ライフサイクル」と言います。
ライフサイクルというと「製品サイフサイクル」のことを指すことが多く、製品の部分を省略して、ただのライフサイクルとなります。
製品の一生には、「導入期・成長期・成熟期・衰退期」があるとされ、それぞれのサイクルで適切な販売戦略を立てることが重要です。
例えば、「導入期」は製品が新発売された直後という状況です。
人間でいえば、赤ちゃん~幼年期というところでしょうか
導入期では、「製品の認知度を上げる」戦略を立て積極的に露出します。
どんな商品でも、お客さんに認知されなければ売れるはずがありません。
マーケットでの認知度を上げることに全力を上げ、どんどん広告を打ってメディアに取り上げられるようにアグレッシブな戦略を立てます。
この時期はまだ商品が世の中に認知されていませんので、売上や利益はほぼ期待できず、赤字覚悟での販売広告戦略となるでしょう。
それでも、新発売時にどれだけマーケットや消費者に認知されたかで、その後の成長期での飛躍に大きな影響がでるので、導入期は非常に重要です。
一方、売上も安定し競合がマーケットに多く参入してきた「成熟期」になると戦略を変えなければいけません。
導入期のように広告を打って商品の認知度を上げると言うよりは、「自社商品の強みを差別化して競合との違いを強調する」ような戦略が必要です。
この頃になると、マーケットには類似商品や競合商品が溢れています。
どんどん攻めの広告を打つというよりは、ウェブサイトなどを充実させて自社製品を購入したいという消費者を間違いなく捕まえる「受けの広告戦略」を重視するようにします。
そうすれば、コストをかけずに売上・利益を上げられ、導入期にかけた費用の損失を成熟期に刈り取ることが出来ます。
製品の一生のどこにお金をかけて、どこで利益を刈り取るのか
ライフサイクルを理解して、「メリハリのある販売戦略を立てることが大切だ」ということがよくわかります。
ライフサイクルの概念を使ってビジネスを成功させたいという人は、こちらの書籍をオススメします!企業の生存競争を勝ち抜くためにいつどこにイノベーションを適用すればよいのか?豊富な実例を使ってわかりやすく説明しています。あなたに当てはまるケースが見つかると思いますよ。
②プロジェクト・ライフサイクル
プロジェクトとは「明確な始まりと終わりがある仕事」のことです。
「始まりと終わり」が定義されますので、人の人生や製品の一生と同様にプロジェクトにもライフサイクルの概念があります。
PMBOKでのプロジェクト・ライフサイクルのサイクルは以下の通り。
①立上げプロセス
②計画プロセス
③実行プロセス
④監視・コントロールプロセス
⑤終結プロセス
まずは「①立上げプロセス」で計画の目的や目標、概要などを関係者を交えて確認し、プロジェクトの開始を宣言します。
その後「②計画プロセス」で目標達成のための具体的な方策を品質、コスト、納期をベースに10の知識エリアに沿って、それぞれ検討します。
「③実行プロセス」では作成された計画通りに作業を進めて、「④監視・コントロールプロセス」を経て、成果物を生成します。
すべての目標が達成されれば、プロジェクトは「⑤終結プロセス」に移り、速やかに終了となります。
プロジェクトマネージメントの概念では、プロジェクトの一生を「立上げ~終結」までの5つのプロセスに分けて、体系的にまとめています。
それぞれのプロセスで作業するべきことを明確にし、それらの手順を着実にクリアーしていくことで目標達成の成功確率を上げようとする活動です。
「製品を売るため、プロジェクトを成功させるため」どちらもライフサイクルの概念を活用して、目的達成しようとする手法、手段になります。
関連記事
プロジェクトのライフサイクルについては、こちらの記事でも書いています。
【PMBOK】プロジェクトマネジメントとは?【現役PMPが語る】
【PMBOK】プロジェクト知識エリアのプロセス実行手順|初心者必見です
その③なんでライフサイクルが大切なのか?!
繰り返しになりますが、「最適な時期に最適なことをする」ためです。
新発売の商品なのに、広告宣伝しないことってありますか?
プロジェクトの立上げ直後にいきなり作業を開始しますか?
もちろん、どんなに広告宣伝しても成長期にうまく売上が伸びずに成熟期も短く、あっというまに衰退期が来てしまうような場合もあるでしょう。
それでも、ライフサイクルを意識して戦略を立てることにより無駄なコストや時間、労力を削減することが出来ますし、なにより商機をつかむ可能性が上がります。
「最適な時期に最適なソリューションで最高の結果を得る」
そのためには、製品やサービスの一生でどんなサイクルやイベントがあるのかを知ることが、なによりも重要になるのではないでしょうか。
まとめ ライフサイクルとは?|最小の労力で最高の結果を得る!
本記事の内容
その①ライフサイクルとは?
その②ライフサイクルを具体的に!プロダクトとプロジェクト
その③なんでライフサイクルが大切なのか?!
今回は、ライフサイクルについてご説明しました。
人生を振り返ってみると、40代の今の自分が成長期なのか成熟期なのか、なんとも言えないところですねw
「新しいことを始めるのに年齢は関係ない」と自分を奮い立たせて、興味があればチャンレンジする気持ちだけは忘れないようにしたいですね。
なにかを始める時は、いつでも導入期とアグレッシブに生きましょう!
それでは、今回は以上です。