PMBOK PROJECT MANAGEMENT

【PMBOK】プロジェクト知識エリアのプロセス実行手順|初心者必見です

2020年7月21日

こんにちは、建設系プロジェクトマネージャーのMARCUS(マーカス)です。

プロジェクトマネジメントで、よく耳にするキーワードに「PMBOK」があります。

「PMBOKとは、いったい何なのか?」

「PMBOKを読んだけど、知識エリアの手順がよくわからない。」

そんなプロジェクト初心者の疑問に、お答えします。

ちなみに説明する私は、プロマネ歴10年以上のPMP@資格所持者です。

結論だけ簡単に言いますと、

ポイント

  1. 統合マネジメントが、プロジェクトマネジメントの流れの中心となる作業です。
  2. プロジェクトマネジメントの管理要素は、QCDです。(品質、コスト、納期)
  3. 順番通りに作業するのは①スコープ②スケジュール③コストの3つだけです。

PMBOKとは?

PMBOKとは、Project Management Board of Knowledgeの略称で、プロジェクトマネジメントに関するノウハウや手法を世界のプロジェクトマネージャーたちの経験や教訓から体系立ててまとめたものです。

プロジェクトを成功させるために「プロジェクトで管理した方が良いこと」を、先人たちの過去の経験からまとめた初心者にとっては願ってもないガイドブックになります。

1987年にアメリカの非営利団体PMI(Project management institute)が「A Guide to the Project Management Body og Knowledge」という本で発表したのが始まりです。

今ではプロジェクトマネジメントの世界標準として、各国に浸透しプロジェクトマネージャーの共通言語として使用されています。

PMBOKは3年から4年の一度のペースで更新され、現在の最新版は2017年に発行された第6版になります。

私がPMBOKの学習をしていた頃は、第4版でした。
改訂のたびに少しづつ進化して内容も変わっていますよ!

PMPとは?

PMPとは、Project Management Professionalの略称で、PMBOKの発行元として紹介したPMI本部が認定している「プロジェクトマネージャーの国際資格」です。

PMPは受験申請の条件として、プロジェクトマネージャーとしての経験や実務証明、また事前の認定講習35時間をクリアーすることを求めています。

試験自体はPMBOKを基に出題されますが、中には明確な答えがわからないものがあります。

これまでの経験から「状況に応じた最適な答えを選択する」というようなプロジェクトの実務をしていなければ回答が難しい問題です。

PMP試験の特徴は、単にプロジェクトマネジメントの知識だけでなく、経験などの実務の部分も重視しているところになります。

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PMBOKでのプロジェクトマネジメント

プロジェクトマネジメントは、製造業などで使われるQCD管理が中心でした。

Q:Quality(品質)

C:Cost(原価、コスト)

D:Delivery(納期、スケジュール)

QCDはプロジェクト管理の3要素になり、その3つに定められた目標に向かってプロジェクトを管理コントロールするというのが、PMBOK前のプロジェクトマネジメントでした。

しかし、この3要素だけを管理してもその他のさまざまな要因によるマイナスの影響で、目標達成という最終ゴールにたどり付くのは困難になることがほとんどでした。

PMBOKは、QCDに影響を及ぼすそのほかのコントロール要素(知識エリア)を合わせて管理することにより、プロジェクト目標を達成する確率を高くしようとする手法です。

プロジェクトマネジメントの10の知識エリアと5つのプロセス

PMBOKでは、管理すべき項目を「知識エリア」とし、10のエリアに定義しています。

また、プロジェクトの流れについても開始~終結までを5つのプロセスに分けています。

プロジェクトの進行に合わせて5つのプロセスの中で、10の知識エリアを管理していくというのが、PMBOKの基本的な考え方です。

・5つのプロセス

 プロジェクト立上げ ⇒ 計画 ⇒ 実行 ⇒ 監視・コントロール ⇒ 終結

・10の知識エリア

 1.統合マネジメント

 2.スコープ・マネジメント

 3.スケジュール・マネジメント

 4.コスト・マネジメント

 5.品質マネジメント

 6.資源マネジメント

 7.コミュニケーション・マネジメント

 8.リスク・マネジメント

 9.調達マネジメント

 10.ステークホルダー・マネジメント

PMBOK第5版では、49あった管理プロセスも
第6版では、41に集約されています

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PMBOKの知識エリアとプロセスのマップ図

10の知識エリアと5つのプロセスを、一覧表化したものがマップ図です。

このマップ図でPMBOK全体で41ある管理プロセスの内容がひと目で確認出来ます。

縦軸に10の知識エリア、横軸に開始から終結までの5つのプロセスが示されています。

 プロジェクト初心者にとっての課題

PMBOKでは、各知識エリア実行の手順については説明されていません。

初心者にとっては、マップ図を見てもどのように作業を進めて良いのかがわかりずらいことがPMBOK手法を習得する上での課題になります。

知識エリアの実行手順について、わかりやすく説明しますね!

PMBOK手法を利用する注意点

知識エリアの手順の前に、PMBOKの注意点について理解しておきましょう。

 PMBOKはプロジェクトマネジメントのツール

PMBOKは、プロジェクトマネジメント手法の知識集です。

プロジェクト管理を学習して理解するためには優れたガイド本ですが、そのまま全ての手法をテンプレート化しても、プロジェクトの規模や難易度によっては過剰な管理になってしまうこともあります。

プロジェクトに応じて、必要な手法だけを適用するというスタンスの方が良いでしょう。

 文書化のテンプレートは、PMBOKにこだわらなくてもよい

PMBOKでは、各プロセス毎に文書化した方がよい管理項目について規定しています。

管理する項目や内容については、PMBOKで規定している内容を網羅するように心がけます。

しかし、テンプレートについてはプロジェクトを実行する業界や会社の業態の慣例に合わせたものを準備した方が良いでしょう。

私がプロマネをしている建設業界では、プロジェクト憲章は馴染みがありません。

その代わりに、見積書や契約書といった書類がプロジェクト憲章の役目を果たします。

見積書や契約書に、プロジェクト憲章で定義される内容が網羅されるようにします。

無理に全てのプロジェクトをPMBOK手法に全てを当てはめようとすると、業界によっては馴染まないこともありますので、臨機応変に対処するようにしてください。

10の知識エリアと5つのプロセスの作業手順について

まずは、5つのプロセス(マップ図横軸)について

  1. 横軸左から、「立上げ➔計画➔実行➔監視コントロール➔終結」が基本の順番
  2. 監視コントロールで計画改訂があると、計画プロセスへフィードバックされる
  3. 監視コントロールで承認済変更があると、実行プロセスへフィードバックされる
  4. プロジェクト実行中は、計画・実行・監視コントロールは、常に循環している

 プロセスを理解するには、監視・コントロールが重要!

監視・コントロールプロセスの機能は2つあり、計画・実行プロセスに働きかけます。

  1. プロジェクト実行後に、計画値と作業の結果となるパフォーマンスを比較評価して、必要な処置と取る。異常が発見された場合には対処方法を検討し、是正が必要な計画プロセスを特定して働きかける
  2. 各知識エリアの実行プロセスから変更要求が合った場合には、統合変更管理でレビューを行い、実行プロセスへと結果をフィードバックする

計画・実行・監視コントロールプロセス群が、プロジェクト実行中は常にぐるぐると循環しているイメージを持って下さい。

10の知識エリアの作業手順

 プロジェクトマネジメントの中核は「統合マネジメント」

各知識エリアで計画・実行された内容や結果を、プロジェクトの目標達成のために優先順位を決め、取りまとめてプロセス間を調整します。5つのプロセスを通して実行されます。

統合マネジメントは取りまとめが主な機能になりますので、計画プロセス群のように他の知識エリアで作業がある場合は、まず他の知識エリアで文書や計画書を作成すればOKです。

他の知識エリアで作成した文書を取りまとめて、統合マネジメントでの文書化(アウトプット)は完成します。

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立上げプロセス群の作業は、プロジェクト憲章とステークホルダーの特定の2つのみ。

いきなりプロジェクト憲章を作成するのではなく、まずはステークホルダー特定をして登場人物を明確にし、重要人物と打ち合わせをしてプロジェクト憲章の作成という流れです。

監視・コントロール群の作業については、計画プロセス群で作成される各計画書で定義される頻度と方法でパフォーマンスを測定するだけなので、それに従います。

PMBOKを読んでも、計画プロセス群については色々と複雑に各知識エリアで作成される文書がインプットになっていたりするので迷いやすく、作業の流れもわかりにくいと思います。

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統合マネジメントは、各知識エリアの計画書を取りまとめてプロジェクトマネジメント計画書としますので、まずは作業をすることはありません。

 ベースライン設定は、スコープ・スケジュール・コスト

プロジェクト実行後、現状を評価する指標となるベースラインを設定するのは、「スコープ・スケジュール・コスト」の3つです。

ベースラインの設定は、①スコープ②スケジュール③コストの順番で行います。

最後のコスト見積のためには、スコープやスケジュールの作業結果が必要になるためです。

スコープ・マネジメントでプロジェクト憲章をベースに、ステークホルダーのニーズや要求を収集してプロダクトやプロジェクトの詳細範囲や受入基準等について記述します。

その後、プロジェクトの成果物や作業をマネジメントしやすいように分解したWBS(Work break down structure)を作成します。WBSが、スケジュール作成やコスト見積のベースとなる重要な文書になります。

スケジュール・マネジメントではWBSをベースに、さらに作業要素を分解してアクティビティ(分解出来ない最小作業単位)を特定し、プロジェクトが決められた期限内で終結出来るように作業順序、想定した資源でかかる時間を見積もりして、スケジュールを作成します。

ベースライン設定最後になるコスト・マネジメントでは、スケジュール・マネジメントで特定されたアクティビティを完了させるのに想定された資源のコストを見積もり、プロジェクトが承認された予算内で実行可能かどうかを確認します。

スコープ・スケジュール・コストの3つのベースラインが設定されると、プロジェクト実行後の現状を評価する指標が出来上がります。

 品質マネジメントは、ベースラインではない

QCDがプロジェクトマネジメントでは3つの管理要素になるとお話しましたが、PMBOKでは品質マネジメントは、ベースラインではありません。

プロジェクト目標とともに、プロダクト(製品やサービス)の品質要求目標もスコープ・ベースラインに定義されるためです。

品質マネジメントでは、品質目標や品質標準を順守するための方法を文書化します。

プロジェクトを通して、品質を管理検証する方法を規定し、品質を保証するプロセスです。

 他の知識エリアは、ベースラインを基に実行する

そのほかの資源・コミュニケーション・調達・ステークホルダーといった知識エリアは、ベースラインを基に作業することになります。

資源マネジメントを例にすると、スケジュール・ベースラインで設定された必要な資源を確保するために、見積もり・獲得・コントロールというプロセスが実施されます。

ベースラインを達成するために、必要となる要素をマネジメントするために実行されます。

 リスク・マネージメントは、ベースラインと同時に行う

PMBOKでは特に規定していませんがリスク・マネジメントについては、ベースライン設定時に同時に作業実行することをおすすめします。

ベースラインを設定する前に、各目標達成を阻害するリスクを想定します。

リスクへの対処について、事前にベースラインを設定する前に明確にしておくことでプロジェクト成功の確率を格段に上げることが出来ます。

建設工事プロジェクトのスケジュールであれば、悪天候で作業出来ないというリスクがあります。悪天候で工期が延びれば工事重機のレンタル期間も延び、コストも増えます。

こういったコントロール出来ないリスクについても事前に想定して、対処方法についてステークホルダーとの打合せを含め、責任の所在を明確にしておきます。

計画プロセス群では、どれだけのリスクを事前に想定して計画を作成したかがプロジェクトの成功確率を大きく左右します。

 ステークホルダーの満足度が、プロジェクトの成功基準

コミュニケーション・マネジメントとステークホルダー・マネジメントは、ステークホルダーの満足度をプロジェクト成功の指標として、マネジメントするプロセスです。

ステークホルダーのプロジェクトへの関与を促し、十分なコミュニケーションでプロジェクトの成果物やパフォーマンスに対する満足度を向上させます。

プロジェクトの成功は、ステークホルダーの満足度で決まります。

QCDの目標を達成し成果物を無事に受け渡ししたとしても、ステークホルダーが満足していなければ、次のビジネスにつながらないという点でプロジェクトは失敗です。

おろそかにしがちな知識エリアですので、十分注意して計画実行するようにしましょう。

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さいごに

10に知識エリアについて、特に「計画プロセス群」での作業手順についてお話しました。

ベースライン設定には、リスクへの対処を考慮することをおすすめします。

適度な余裕(コンティンジェンシー)がある目標計画は、プロジェクトの成功確率を大きく上げることが出来ます!

  1. 統合マネジメントは、各知識エリアの文書の取りまとめが役割
  2. スコープ・スケジュール・コスつの順番で、ベースラインを設定する
  3. その他の知識エリアは、ベースライン達成のために必要なものを実施する
  4. リスク・マネジメントはベースライン設定時に同時にやったほうが良い

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