こんにちは、建設系プロマネのMARCUS(マーカス)です。
プロマネをしていると、プロジェクトが成功することも失敗することもあります。
私の場合は、プロジェクトが失敗したと評価されることはほとんどありません。
すみません、自慢ではありません。
実際には、「予算がオーバーした」とか「期限に少し遅れた」ということはよくあります。
ですが、最終的にプロジェクトは成功したと評価されています。
お客さんから仕事もリピートしてもらえているので、成功で間違いないですね。
それは、なぜか、、、
答え:『ステークホルダーマネージメント』に成功しているからです!
『ステークホルダー』とのコミュニケーションが、プロマネの一番の仕事ですよ!忙しくても、絶対に疎かにしてはいけません。
目次
プロジェクトの成功は、プロジェクトオーナーの満足度で決まる!
プロマネなら誰でもプロジェクトを成功させたい!ですよね。
社内での評価や昇給、キャリアアップに直結しますから当然です。
プロジェクトが成功と評価される秘訣があります!
『ステークホルダーマネージメント』です。
プロジェクトマネージメントでのステークホルダーとは、、、
『直接的または間接的にプロジェクトの結果により利害が発生する関係者』です。
利害関係者の中でも最重要人物は、『プロジェクトオーナー』です。
プロジェクトオーナーは、お客さんのことです。
具体的には、ステークホルダーマネージメントで一番大切なのは、、、
『プロジェクトオーナーの満足度を上げる』ということです。
プロジェクトの成功は『プロジェクトオーナーの満足度』で決まります!
もちろん、プロジェクトの定量的な目標を達成するに越したことはありません。
予算や品質目標、期限などの数値目標ですね。
でも極論、プロジェクトの結果が多少、数値目標に達成しなくても大丈夫です。
オーナーが結果に満足していれば、プロジェクトは成功と評価されます。
逆に計画通りに仕事を終わらせても、プロジェクトが失敗になる場合もあります。
それは、オーナーがプロジェクトの結果に不満があるときです。
ということは、ですよ、、、
プロマネは、プロジェクトを成功させることに責任を負っているわけです。
それなら、『プロジェクトオーナーの満足度を上げる』が一番重要!
ということになりますね。
プロジェクトでは、QCDと言われるような品質・コスト・納期などの管理も重要です。
プロジェクトの数値目標の達成を目指しますから、当然です。
でもですね、それでプロジェクトが成功と評価されるかと言うとそうではありません!
あくまでも、、、
お客さんが結果に満足してこそ、プロジェクトは成功なんです。
何だか、モヤモヤしますか?
「勝負に勝って、試合に負けている??」ような気がしますか?
それでは、どういうことか見ていきましょう!
プロジェクトオーナーの期待値をコントロールする
プロジェクトオーナーの満足度を上げろと言われて、何をしますか?
より高い目標を自分で設定して達成しようとがんばるのは、一番ダメです。
良いことばかりオーナーに言って、自分の能力をアピールしたくなるのはわかります。
オーナーからの、あなたやプロジェクトに対する期待値がどんどん高くなるだけです。
自分で、自分の首を締めることになるだけですよ。
じゃあ、具体的にはどうすれば良いでしょうか?
私なら、事前にプロジェクトオーナーの期待値をコントロールします!
①プロジェクトの見積もりは、多めに言っちゃいましょう。
予算や資源は多めに、スケジュールは長めにです。
②起こりそうなリスクやトラブルも事前に言っちゃいましょう。
予算やプロジェクトに必要な資源(人やもの)は、多めに要求します。
スケジュールの見積もりも長めに必要だと説明しておきましょう。
あなたが予算3億円、必要人員25人と見積もりをしたとします。
その場合は、予算4億円で必要人員30人とオーナーには言っちゃいます。
多少無理を言っても最後は、予算も資源もそれなりのところに落ち着きます。
はじめに多めに言うことで、オーナーに印象つけることの方が重要です。
予算3億5千万円を3億円でプロジェクトを終わらせたら、オーナーは満足します。
最初から見積通り3億円と言ったら、プロジェクトの結果に満足するでしょうか?
予期しないトラブルで、予算内でプロジェクトが終わらなくなるリスクまで出てきます。
リスクやトラブルを事前に言うことも、同じ効果があります。
事前に言っておけば、トラブルが実際に起こった時に言い訳も出来ます。
オーナーは事前にトラブルの可能性を聞いていれば、ああやっぱりとなります。
心の準備ができていれば、大きな不安を感じることもないでしょう。
これが、事前に印象つけるということですね。
あくまでも、期待値をコントロールするということです。
オーナーが初めから高い期待値を持っていると、それをさらに超えるのは苦労します。
期待値を事前に低くコントロールしておくことで、成果に対する満足度が上がります。
注意ポイント
注意点として、
1.やりすぎはダメです。
2.低い期待値にコントロール出来ても、仕事は全力で取り組むこと!
オーナーの期待値を低くしようと、過剰にネガティブな言葉を使うと信頼を失います。
やりすぎると最悪の場合、プロジェクトの計画が中止になりかねません。
期待値のコントロールは、駆け引きであることを忘れないでください。
期待値を低くコントロール出来ても、プロジェクトには全力で取り組んでください。
炎上したプロジェクトでは、事前の駆け引きも全て水の泡となります。
最初に期待値を下げるその効果は?
百戦錬磨のプロジェクトオーナーの場合は、駆け引きすることは難しいです。
あなたがどんなに期待値をコントロールしようとしても、うまく行かないかもしれません。
それでも、事前に「リスク」を伝えておくことは必要です!
「このプロジェクトは難しい!」ということをオーナーに印象つけることになります。
交渉するカードを手に入れる
事前に期待値のコントロールをすることで、交渉カードを手に入れることが出来ます。
悪い例です。
あなたが予想したトラブルを、事前にオーナーに言わなかったとします。
プロジェクト開始後、実際にトラブルが発生してしまいました。
こうなると、初めから思ってました。。。
トラブル対応で○○万円追加で予算が必要です。
そんなの聞いてない!何で初めから言わないんだ!!
急に言われても、追加予算はすぐに用意できないよ!
もうこうなったら、最悪です。
むしろ、「こうなると初めから思っていた」なんて言わないほうが良いです。
油に水を注ぐことになるだけで、オーナーのあなたへの印象はさらに悪くなります。
がんばっているのに、残念な結果になるという悪い状況になります。
それでは、あなたの心配毎を事前に伝えていたら、どうなっていたでしょうか?
要求を断られ、オーナーの希望を受けいれたという「貸し」をオーナーに作れます。
この「貸し」により、その後の交渉でオーナーの譲歩を引き出しやすくなります。
人間は、誰かから譲歩を受けると、その譲歩に負い目を感じます。
これを、「返報性の原理」と言います。
返報性により、譲歩を引き出すための交渉カードを手に入れたということです。
どうせ受け入れらないと諦めずに、事前に「低い期待値」をオーナーにぶつけましょう。
うまく行かなくても、次回以降の交渉カードを手に入れることが出来ます!
ステークホルダーを不安にさせない!
プロジェクト開始後も、プロジェクトオーナーの満足度を上げる努力をしましょう。
もっとも効果があるのは、「プロジェクトオーナーを不安にさせない」ということです。
代表的な例です。
プロジェクトオーナーが進捗に不安を感じ始めると、マイクロマネージメントを始めます。
週1回の報告会が、週2回に増えたり、頻繁な報告を求められます。
これをやられるとプロジェクトの生産性は悪くなり、オーナーはさらに不安になります。
不安なオーナーはさらに細かく進捗をチェックし始めるという、悪循環に陥ります。
悪循環を防ぐ方法としては、、、
プロジェクトが始まった直後から、「早めに状況をレポートする」ことです。
特にレポートするような内容がなくても、「大丈夫です」の一言を伝えます。
これをやるかやらないかで、オーナーからの印象は大きく変わります。
私の経験からも、「必ずやったほうがいい」と断言出来ます!
プロジェクトに遅れが出た場合は、ただ淡々とレポートを続けても不安は解消されません。
次に重要なのは、「オーナーの不安はわかっていますよ」と伝えることです。
「遅れが出て、不安にさせて申し訳ありません。」
「今後、○○で対応し、○○日後までには挽回出来ます。ご安心ください。」
難しいプロジェクトであれば、多少の問題やトラブルは発生します。
その時にオーナーの不安要素を打ち潰すのではなく、共有しているということを伝えます。
不安を揉みほぐすことによって、オーナーの不安は大きく解消されますよ。
まとめ|プロジェクトの成功の秘訣は?
まとめ
- プロジェクト開始前に、プロジェクトオーナーの期待値をコントロールする
- プロジェクト開始後は、プロジェクトオーナーを不安にさせない
プロジェクトが成功と評価される秘訣は、お客さんの満足度です。
プロジェクトオーナーの満足度を上げることが、プロマネの重要な仕事になります。
これは、間違いありません。
ですが、それはプロジェクトが炎上せずにうまく着陸した場合に有効な手段です。
まずは、プロフェショナルとしてプロジェクトに全力で取り組むことは必須ですよ。
それでは、みなさんの参考になればうれしいです。
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