PMBOK PROJECT MANAGEMENT

【PMBOK】プロジェクト終結プロセス|次につながる終わり方

2020年10月18日

こんにちは、MARCUS(マーカス)です。

『プロジェクトが終わりに近づいてきたけど、スムースに完了されるためには何をすればよいのか?』『プロジェクトの終わりで注意することってな何かあるのか?』『良いチームだったので気持ちよく送り出したいけど、どうすれば良いか?』

そんな悩みに、お答えます。

本記事の内容

その① プロジェクト終結プロセスとは?
その② 「教訓登録簿」が次につながる経験
その③ チームメンバーを気持ちよく送り出す方法

トラブルが何度もあり、なんとか期限に間に合ったというようなプロジェクトでも、「終わり」が近づくと感慨深く、感傷的になるものです。

なんとかメンバーのおかげで成功出来たと、感謝してもしきれない経験もあります。

そんなお世話になったメンバーにどうやって気持ちよく、次の仕事に移ってもらうようにすればよいでしょうか?

今回は、「プロジェクトの終結プロセス」で気をつけることをご紹介したいと思います。

プロマネ歴10年以上でPMPのわたしが、書いていきます。

プロジェクト終結プロセスとは?

プロジェクトの終結プロセスは、たった1つです。

統合マネージメント:プロジェクトやフェーズの終結

ただし、この1つのプロセスにはプロジェクトを完了させるために「いくつかのタスク」が含まれているので注意してください。

プロジェクトの終結プロセスで必要な主なタスクは、

その① すべてのプロセス情報をデータを整理して保管する
その② 計画された作業がすべて完了していることを確認する
その③ 新しい仕事のために、チームを解散する

というものです。

✓その① 情報データを整理・保管する

まずは、プロジェクトで作られたすべてのデータを整理します。
フォルダー分けして、所定のサーバーや記録媒体へ保管する作業です。

領収書など紙での資料がある場合には、そのまま保管かスキャンデータとして保管するのかは、オーナーに確認するようにしましょう。

データ整理は、立上げや計画、実行といったフェーズが「終わるたび」に実施しておくことが、オススメです。

まとめてデータ整理を行うと時間もかかりますし、場合によっては作業が終わった担当メンバーが、すでにチームいないということもあります。

人員の解散計画を確認しながら、計画的に情報整理を進めてください。

✓ その② 計画されたすべての作業の完了を確認する

立上げ~計画~実行プロセスと続いてきた作業の完了をチェックします。

途中で中止になったタスクについても、そのままに保管するのではなく、中止になった経緯や履歴をあわせて記録するようにします。

そうすることで全ての経緯を見返すことができ、このあとに続くプロジェクト・レビューの時に、より多くの気付きや教訓を得ることに役立ちます。

しかしプロジェクト終了間際は、残務作業の進みが遅くなりがちです。
残務の完了漏れを防ぐために、リストにまとめて期限管理をしましょう。

残務整理のリストを「パンチリスト」と呼びます。

期限内に全ての作業を完了させて、プロジェクトは成功となります。
マイナーな残務が終わらずに、納期遅れとならないように注意が必要です。

✓ その③ 新しい仕事のためにチームを解散する

スケジュールに合わせて、事前に人事課や派遣会社と人員資源の異動時期を調整します。

作業の進み具合や完了に合わせて、少しづつメンバーがプロジェクトから離れていくことが多いためです。

人材の有効活用、個人のキャリア形成のためにも「スムーズな人材の異動計画」も、プロマネの仕事の1つになります。

ただし、最後まで残ったチームメンバーについては、「プロジェクト・レビューミーティングの終了」の後で解散としましょう。

作業の開始がプロジェクト憲章で宣言されるように、レビューミーティングで作業終了を定義して、”けじめ”をつけることも資源をスムースに開放するためには有効です。

「教訓登録簿」が次につながる経験

「教訓登録簿」を必ず更新して、最終版にまとめてください。

終結プロセスの目的の1つは、「将来のプロジェクトへ教訓を残す」ということだからです。

そのため、教訓登録簿の主な内容は、

①課題ログや変更ログから予想外だった要望や結果
②リスクマネージメント計画とその対応結果
③ステークホルダーとのコミュニケーション結果

になりますが、これに限った内容ではありません。

客先社内での人間関係、特殊だった要望やその傾向など、成果物やデータとして目には見えない経験や教訓も合わせて記録しておくようにします。

今後、同じ顧客より新規案件の依頼があったときに、こういった目に見えない情報の記録が、予期せ追加要望のリスクを想定したりするのに役立ちます。

プロジェクトで得られた知見や経験、成功や失敗など出来る限りの教訓を一覧表をしてまとめることで、次へとつながる組織の資産となります。

チームメンバーを気持ちよく送り出す方法

プロマネをしていると、一緒に仕事をしたチームメンバーには気持ちを切り替え、スムーズに次の案件へと移ってもらいたいものです。

その方法の結論としては、「レビュー・ミーティング」を開きましょう。
なぜなら、プロジェクトの終了にけじめをつけられるためです。

そのため、レビューミーティングでは、

①プロジェクト作業での反省点や、次回への改善アイデア
②社外、社内のコミュニケーションに問題はなかったか
③プロジェクトチームの雰囲気や作業環境はどうだったか

など、「良かったこと・悪かったこと」を所感として意見をもらいましょう。

これにはもう1つ利点があり、メンバーからの所感や感想で、自分自身がプロマネとして何を改善すればよいか、今後のチーム運営への参考になります。

レビューミーティングは、なるべく最終日に行い、その後、お祝い会などの食事会などに出かけることがオススメです。

たまに、雰囲気の良かったチームで仕事をしたメンバーは、仕事が終わりそうになると不安を覚えたり、憂鬱になったりします。

プロジェクトが終結しても、なかなか次へと動き出せないのです。

そこで、食事会などでメンバー同士、互いの成果を認め合い、労います。

そうすることで、仕事の終わりを自覚でき、自信をもって次のステップへと一歩を踏み出すことができるようになります。

繰り返しになりますが、プロジェクトの終了にけじめをつけ、気持ちを切り替えて、次に移ってもらうということを意識しましょう。

まとめ プロジェクト終結プロセス|次につながる終わり方

ポイント

その① プロジェクト終結プロセスは、たった1つ
その② 「教訓登録簿」が次につながる経験
その③ チームメンバーを気持ちよく送り出す方法

今回は、PMBOKの「プロジェクト終結プロセス」についてご説明しました。

終結プロセスでは、プロマネとして「次につながる教訓のまとめ」「チームメンバーを気持ちよく、送り出す」ということを優先してください。

わたしも担当者だった頃は、うまくいったプロジェクトや仲良くなったチームと分かれるときは、憂鬱になったことをよく覚えています。

チームメンバーには経験を自信にして、気持ちよくステップアップしてもらうことも、チームを率いるプロマネの最後の仕事ではないでしょうか?

みなさんは、どう思いますか?

それでは、今回は以上です。😄

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