こんにちは、MARCUS(マーカス)です。
監視・コントロール群プロセスに悩んでいる人
『PMBOKの監視・コントロール群って、どういうプロセス?』
『監視・コントロールをするメリットって、なにかあるの?』
『具体的に気を付けた方がよいことって、なにかある?』
あなたのそんな質問に、お答えします。
本記事の内容
その① PMBOKの監視・コントロール群とは?
その② 監視・コントロール群を実行する3つのメリット
その③ 監視コントロール群で、2つの重要タスク!
今回は、PMBOKの「監視・コントロール群」についてご紹介します。
わかりやすく説明しますので読み終えれば、このプロセスの理解が深まり、具体的に重要なタスクについてわかりますよ。
プロマネ歴10年以上でPMPのわたしが、書いていきます。
それでは、説明します。
目次
PMBOKの監視・コントロール群とは?
PMBOKでは、どのようにプロセスを定義しているでしょうか?
監視とは、プロジェクトのパフォーマンス・データを収集し、パフォーマンス測定を行い、さらにパフォーマンス情報を報告し配信することである。
PMBOK 第6版より
コントロールとは、計画と実績を比較し、差異を分析し、プロセスの改善に影響を与える傾向を評価し、代替案を評価し、そして、必要に応じ、適切な是正処置の提案を行うことである。
なんだか難解な言葉で書いてあるので、もうちょっとわかりやすく要約します。
①監視とは、プロジェクトの現状を確認して、報告・配信すること。
②コントロールとは、計画と現状を比較して、その差を分析すること。
必要があれば、現状を改善するため、対策案を考えて実行する。
ここで意外なのは、監視に「報告・配信する」が含まれることですね。
コミュニケーション・マネージメントやステークホルダー・マネージメントとも関係してきますが、監視プロセスでは、内部や外部への報告資料作成も作業に含まれてきます。
監視・コントロール群のプロセスは、プロジェクト実行後、プロジェクトマネージメント活動のなかで、もっとも重要です。
なぜなら、PDCAサイクルのうち、C(チェック)とA(アクション)の活動を同時に受け持ち、「現状確認」と「問題改善」の役目があるためです。
そのため、「データ収集」→「差異分析」→「代替策検討・実行」→「報告・配信」を定期的に行う必要があります。
管理とは、よい状態であるように気を配り、必要な手段を(組織的に)使ってとりさばくこと。
Google日本語辞書より
プロジェクトマネージメントは、プロジェクトを「管理すること」です。
監視・コントロール群が、まさにプロジェクトの管理活動そのものということになります。
監視・コントロール群を実行する3つのメリット
結論ですが、監視・コントロールを行う3つのメリットは、
①定期的に、プロジェクトのパフォーマンスが分析される
②関係者がプロジェクトの状況を、常に把握できる
③注意が必要な内容を特定できて、共有できる
特に「関係者と状況を共有できる」は、最大のメリットになります。
なぜなら、関係者は【サプライズ】を嫌うためです。
なんの前触れもない「品質トラブル発生、日程遅れ、追加費用発生」といったネガティブな報告に対して、関係者は強いアレルギーを起こします。
そのため、状況や問題点、その解決策などを出来るだけ多くの情報を関係者と共有して、プロジェクトへの参画意識が高くなるように努めます。
そうすることで、関係者への【サプライズ】を避けられます。
例えば、週に1回のスケジュール報告会のために、
・毎週、プロジェクトの進捗を確認する
・遅れがある場合は、その理由・問題点を洗い出す
・問題解決のために、代替策を検討し、立案(実行)する
・上記をまとめて、将来予測を含め、関係者に報告・配信する
・必要あれば、代替案の実行や将来予測へ関係者の承認を取る
ということを、プロジェクト全体を通して継続します。
「プロジェクトの成功は、ステークホルダーの満足度」で決まります。
関係者へ状況を共有することを、忘れないようにしましょう。
監視コントロール群で、2つの重要タスク!
監視・コントロール群の12のプロセスは、
・プロジェクト作業の監視・コントロール
・統合変更管理
・スコープの妥当性確認
・スコープのコントロール
・スケジュールのコントロール
・コストのコントロール
・品質のコントロール
・資源のコントロール
・コミュニケーションの監視
・リスクの監視
・調達のコントロール
・ステークホルダー・エンゲージメントの監視
です。
12のプロセスのうち、2つの重要なタスクは、
①プロジェクト作業の監視・コントロール
②統合変更管理
になります。
なぜなら、どちらも統合マネージメントの知識エリアで、12プロセスの「取りまとめ」だからです。
「作業の監視・コントロール」では、他のプロセスで測定されたパフォーマンスを取りまとめて、レビューし、関係者に現状を報告します。
メリットは、関係者がプロジェクトの現状を理解し、問題への対処を含めた将来のプロジェクト状況を把握できるようになることです。
もう一度繰り返しになりますが、関係者に状況を共有することは非常に大切です。
ですので、重要なタスクの1つと言えます。
✓ 統合変更管理も重要!
次に、統合変更管理ももう1つの重要なタスクになります。
「統合変更管理」では、すべての変更要求をレビューして、承認します。
プロジェクトが実行されると、トラブルの兆候に対応するため是正処置や予防処置、品質不具合への欠陥修正といった処置を行うことがあります。
これらのアクションと取るためには、承認された計画を変更しなければならないこともあり、このことを変更要求と言います。
一度決めた計画を変更することは、関連する作業に影響を与えることが多く、間違った判断をすると、取り返しのつかないことになりかねません。
ですので、変更要求を検証するためには、プロジェクト全体に精通しているプロマネ自らが判断をするか、チーム責任者を集めて議論をするかなどをして、慎重に進めることが必要です。
例えば、やや遅れているスケジュールを挽回しようとした場合、
①作業スタッフの増員を検討する(人的資源+コストに影響)
②外部会社に作業を依頼する(調達+コストに影響)
③作業内容を変更して、負荷を減らす(スコープ+品質に影響)
といった具合に、他のプロセスへの影響も考慮しなければなりません。
安易に計画を変更することは、プロジェクト成功のにはリスクです。
統合変更管理は、重要タスクだと理解しましょう。
まとめ PMBOKの監視・コントロールプロセス群
ポイント
①PMBOKの監視・コントロール群とは?
②監視・コントロール群を実行する3つのメリット
・定期的に、プロジェクトのパフォーマンスが分析される
・関係者がプロジェクトの状況を、常に把握できる
・注意が必要な内容を特定できて、共有できる
③監視コントロール群で、2つの重要タスク!
・プロジェクト作業の監視・コントロール
・統合変更管理
今回は、PMBOKの監視・コントロール群についてご紹介しました。
PMBOKガイドブックはあくまでも、「プロジェクトマネージメントの辞書」です。
すべてのプロセスを、必ず適用しなければいけないということはありません。
ケース・バイ・ケースでOK。
そうはいっても、辞書を使いこなすためにはやはりある程度の自己学習は必要になってきますので、数冊のおすすめ本をご紹介しておきます。
本を読み込んで、学習した知識と自分の経験がリンクしてくれば、自信がつきます。
実体験を元に納得した知識は、決して忘れませんから。
それでは、今回は以上です。
▼PMBOKの理解を深めるためには、要約本を読むことをオススメします。
ガイド本ではイマイチわかりにくい表現も、図解付きでわかりやすく説明されています。