こんにちは、MARCUS(マーカス)です。
「マイルストーンって、なに?」
そんなあなたのお悩みに、ズバリお答えしますよ。
本記事の内容
その①マイルストーンとは?
その②マイルストーンの設定方法
その③マイルストーンの注意点
職場でこんなやり取りを見たり、聞いたりしてませんか。
「マイルストーンの進捗、どうなってんの?」
「次のマイルストーンはいつ?」
仕事を始めるとよく聞くようになる言葉ですが、学校の授業では出てこない言葉なので、何のことかよくわからないって人も多いと思います。
今回はそんな「マイルストーン」について紹介します。
語源から実際の使い方・注意点までお話しますので、読み終えればマイルストーンについて聞かれても慌てずに答えられるようになりますよ。
それでは、記事を見てみましょう。
この記事を書いているわたしは、10年以上建設系のプロジェクトマネージャーをしているPMP(プロジェクトマネージメント・プロフェッショナル)有資格者です。
目次
その①マイルストーンとは?
まずは、「マイルストーン」の語源から見てみましょう。
1 里程標。
goo辞書
2 画期的な出来事。「近代医学のマイルストーンとなる発見」
3 システム開発やプロジェクト管理において、スケジュール上で特に重要な節目。成果物そのものを指すこともある。
そもそものマイルストーンの語源は『幹線道路の道路脇に1マイルごとに設置されている起点からの距離標識』のことです。
昔は看板の代わりに石が置かれていたことに由来して、距離が『マイル』標識が『ストーン』。それを合わせて『マイルストーン』と呼ばれるようになりました。
日本の高速道路なんかでも、起点からの距離がわかるように中央分離帯や道路脇に『一定の距離で設置されている標識』がありますよね
道路上のマイルストーンの目的は『起点からの距離を知る目印』です。
『自分が行きたい場所へどのくらい進んできたかの目印』という語源が転じて、ビジネス上でも似たような意味合いで使われるようになっています。
✓ビジネスでのマイルストーン
ビジネスでのマイルストーンは『中間目標や期限』という意味で使われ、IT業界や建築工事などのプロジェクト管理でもっともよく使われます。
わたしも建築系プロマネなので、マイルストーンは業界の共通言語ですね
数ヶ月・数年というような長期のプロジェクトでは、最終ゴールが遠すぎて日々の仕事の進捗が見えにくくなります。
そうすると、予定通りか遅れているのかもわかりずらいですし、また同時にチームの緊張感がなくなりモチベーションが下がってしまいます。
そんなときに目先のゴールが明確になるように中間目標となるマイルストーンを設定すると『まずは近いゴールを目指して頑張ろう!』とチームのモチベーションが保たれます。
マラソンで例えると、42.195km先のゴールよりも20km・30km地点のタイムをまずは達成しようとペース配分する感じですかね
ですので、『マイルストーンは長丁場のビジネスで最終ゴールを達成するために、まずは目先のゴールとなる中間目標を立てる』ということですね。
✓スケジュール以外のマイルストーン
ここまでで『マイルストーンはスケジュールのことだけ?』と感じがちですが、スケジュール以外でもマイルストーンは活用できます。
例えば、新製品を開発しているチームの場合であれば『新製品の品質』に対して中間目標が立てられますね。
目標としている最終品質や機能に対して、中間目標を立てていきます
マイルストーン(中間目標)の達成を試験結果やデータを用いて1つづつ検証していくことで、完成直前にふりだしに戻るようなトラブルや無駄を防ぐことになります。
『千里の道も一歩から』。いきなり遠いゴールを目指すのではなく、目先のゴールを設定して、進捗や出来栄えを一歩づつ達成していくことが『マイルストーンを管理する』ということです。
その②マイルストーンの設定方法
では、『マイルストーンをどう設定すればよいか』についてお話します。
大きく分けると、2通りの方法です。
①スケジュールを作成して、中間点を決める
まずは、正攻法となるスケジュールを作成してから『その計画において重要な節目』を中間目標としてマイルストーンにする方法です。
わかりやすいところで例えると、まずは工程別の目標設定です。
・設計(基礎設計、詳細設計)
・調達(材料購入納品、製作開始完了)
・工事(開始日、終了日)
・試運転(開始日、終了日)
「設計が終われば、調達が始まる」「調達が終われば、工事が始まる」それぞれの工程やプロセスの開始日、終了日を中間目標にします。
各工程に従属した関係がある場合には「前工程が遅れれば、後工程も遅れる」ことになるので、工程の開始日と終了日を管理することは最終目標を達成するためにもっとも重要です。
工程数が多かったり、並行作業がある場合には中間目標の設定も複雑になってきますが、『重要な節目がどこになるのか』ということに着目してマイルストーン化すれば、わかりやすく単純化できるでしょう。
中間目標が多すぎると複雑でわかりにくくなるので、マイルストーンの数は最少化できるように心がけましょう
いつも通りにスケジュールを作成してから、重要な節目を洗い出すことで『マイルストーンを設定することができる』が第一の方法です。
▼マイルストーンを設定してもプロジェクトは成功しません。予定通りに計画を進めることが必須ですね。スケジュールを遅らせないコツをこちらの記事で紹介しています。こちらも合わせてどうぞ!
クリティカルチェーン|失敗続きだったプロマネの成功の秘訣
✓工程の合流点は、マイルストーンにしたほうが良い
各工程の合流点は、クリティカルパスに影響を与える可能性が高いのでマイルストーンとして注目することをオススメします。
『イベントやプロセスの区切りなどをマイルストーンとして設定すること』は、わかりやすくて簡単です。
ですが、中間目標として『プロセスの合流点』を設定することを見落としがちなので注意してください。
例えば、同時に並行して進める作業がA・B・Cと3つあったとします。ABCすべてが終了してから、次のプロセスDが開始されるって感じですね。
3つの作業の成果物が合流することで、次のプロセスのインプット情報となるわけです
この時、『3つの作業ABCのうち、どれか1つでも遅れると作業Dを開始できずに計画全体の進み具合が突然遅れるだすこと』になってしまいます。
このような作業の合流点では、それぞれの開始日や終了日を事前にマイルストーンとして管理のポイントにしておくことで、ある日突然進捗がいきなり遅れだすというようなリスクを回避することができます。
合流点のリスクを見逃して、スケジュール全体に影響が出たというプロジェクトを何度も見ていますので、そうならないようにマイルストーンを洗い出すことが大切ですね。
▼どんなにうまくマネージメントしていても、うまくいかないプロジェクトもあります。『プロジェクトは始まる前で成功するかどうかが決まる』って言われたら、プロマネしては気になりますよね。この本ではプロジェクトが失敗する原因がわかりやすく書いてありますので、成功させたいあなたは、ぜひ一度読んでみてください。
②事前に決まっている場合もある(イベント、会議など)
自分で決めなくても、マイルストーンが事前に決まっている時もあります。
上司への進捗報告やプロジェクトオーナーとの定期会議など打合せ系のイベントが事前に決まっている主なマイルストーンです。
プロジェクトを約束した納期までに完成させるためには、定期的に開かれる会議のときに予定通りのプロセスが完了していることが求められます。
プロセスの重要な節目を中間目標とする場合とは対照的に、『決められたイベントまでに必要な進捗度合いを中間目標とする』という方法です。
なんだかオーナーや上司の機嫌取りをしているようで、本末転倒な気がするかもしれませんが、ステークホルダーの印象や期待値をコントロールすることもプロジェクト成功のためには、重要なファクターにですので、よく覚えておいてくださいね
決められた日までに、『求められる進捗度合いを達成しておく』というマイルストーンもあることを覚えておきましょう。
▼『プロマネの仕事の80%は、コミュニケーション』と言われます。それぐらい社内外の関係者の期待値をコントロールすることが、プロジェクトの成功に直結するということですね。経験を積んだプロマネほど同じ考えを持っていると思いますよ。こちらの記事でわかりやすく解説しています、成功の秘訣に悩んでいる人は是非どうぞ!
スタッフのモチベーションを上げる方法は?|現役プロマネが語ります。
その③マイルストーンの注意点
マイルストーンを使ってスケジュールや品質などの達成具合いを管理していく際に注意したほうが良いポイントがいくつかあります。
1.マイルストーンを多く設定しすぎない
2.現実的なマイルストーンを設定する
3.マイルストーンは関係者と共有する
1.マイルストーンを多く設定しすぎない
マイルストーンは適当な数になるように設定してください。多くしすぎると、効力がなくなってしまうためです。
例えば、毎週のように計画の節目となるマイルストーンが設定されていてはメンバーにとってはただの週間予定となり、緊張感をもって目標を達成しようとする意識がなくなります。
あくまでも、『計画進行の重要な節目としてマイルストーン』という日付が決められていると言う状況が重要です。
毎週のように報告会議が設定されていたとしても、その全てをマイルストーン化するのではなく、計画開始から終了までの中で特に主要な会議を中間目標とする方が良いでしょう。
月に1個くらいのマイルストーンが適当ですね
あれもこれもマイルストーン化せずに、本当に大切な節目だけを選ぶいうことが大切ですね。
2.現実的なマイルストーンを設定する
マイルストーンの数の重要性がお話しましたが、次は期間についてです。
マイルストーン計画は、現実的に達成可能なようなものにしましょう。
スケジュール目標設定は『50%の確率で達成可能なギリギリの計画』にすることは、クリティカルチェーンの記事でもご紹介しました。
▼クリティカルチェーンの記事はこちらでどうぞ!
クリティカルチェーン|失敗続きだったプロマネの成功の秘訣
『うまく行けば、、』『少し頑張れば、、』達成可能な目標を掲げるとチームは『効率的かつ意欲的に作業に取り組むようになり、結果としてプロジェクトなどの成功確率を上げること』になります。
しかし、誰が見ても達成が難しい目標や休日返上で作業しないと間に合いそうもないスケジュールでは、『始まる前からチームのモチベーションが低い』なんてことになりかねません。
このようなケースが特に多いのは、ステークホルダーによって会議予定や成果物の提出予定のマイルストーンが決められる場合です
少しでも早くプロジェクトで得られるビジネス上の効果を得たい関係者からすれば、目標を前倒ししたくなることは十分理解できます。
ですが、計画を最短で成功まで導くためには『チームメンバーのモチベーションが大きく影響』してきます。
ですので、『実現可能なマイルストーンの設定を自分たちで行うこと』を関係者と事前に話をするようにしてください。
もし、ステークホルダーから中間目標を与えられる場合には、その実現性をよく検証してから引き受けるようにしましょう。
3.マイルストーンは関係者と共有する
マイルストーン設定後は、関係者と必ず共有してください。
なぜなら、決定権のある関係者によって『マイルストーンを変更されると全てのスケジュールに影響がでてくる』ためです。
例えば、2ヶ月後を中間目標に対して、マイルストーン予定を知らなかった関係者より、突然2週間の目標前倒しの要求があったとします。
この場合、マイルストーン前の日程を全て組み直すことは当然ですが、マイルストーン達成後の後工程に関しても開始日を変更する必要があります。
要は、全ての計画を再スケジューリングするということです
作業進捗の確認、人的資源の調整、外部資源の確保などなど、プロジェクトスケジュールを1から検討し直すようなものです。
最終目標を基準にして、中間目標を決めていくマイルストーン手法では1つのマイルストーンを動かしてしまうと玉突き的にその他全ての中間目標が影響を受けます。
そのようなリスクを避けるためにも、計画初期の段階でマイルストーンを設定して、それを関係者に共有するということが必須だということです。
まとめ
本記事の内容
その①マイルストーンとは?
その②マイルストーンの設定方法
その③マイルストーンの注意点
今回は、マイルストーンについてお話しました。
仕事である以上、計画やプロジェクトの最終目標については、プロジェクトオーナや上司から言い渡されることは仕方がありません。
しかし、そこに向かうまでの『中間目標となるマイルストーンについては、自分たちで考えて決めること』を強くオススメします。
『マイルストーン』を1つづつクリアーすることにより、小さな成功を繰り返して、チームやメンバーはやりがいやモチベーションを感じます。
高いモチベーションを保ち続けることで、最終目標を達成する可能性が高くなることは、プロジェクトに関わった人であれば誰もが共感する事実ではないでしょうか
『マイルストーンは、目標達成のバロメータ』です。
今回ご紹介したポイントを参考に、大きな計画の中の小さな目標作りをしてみてください。
それでは、今回は以上です。