キックオフ・ミーティング
アジェンダについて
こんにちは、MARCUS(マーカス)です。
「アジェンダはなにを書けば良いのかわからない」「作った資料で大丈夫か心配だなぁ」「特に大切なことってなにかあるのかなぁ?」
そんなあなたの悩みに、お答えます。
本記事の内容
その①キックオフミーティングのアジェンダ
その②資料はインタビューでブラッシュアップ
プロジェクト最初の重要なイベントが「キックオフミーティング」です。
ミーティングがうまくいくと「始まるぞ!」というチームの一体感が一気に出てきて、スムーズに計画をスタートすることが大きなメリットになります。
プロマネであれば、確実に成功させたいところですね
▼「キックオフミーティングってなに?」については、こちらの関連記事で書いています。
ミーティングの目的や重要性について知りたい方は、まずこちらの記事を読んでくださいね。
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ですがはじめのうちは、「どんなアジェンダで資料を用意すればよいのか」「なにに注意すればよいのか」など、だれでも悩むものです。
そこで今回は、「ミーティングのアジェンダ」について紹介します。
具体的なアジェンダの内容を説明しますので、読み終えれば「もう資料のアジェンダ作りに悩むことはなくなる」と思いますよ。
プロマネ歴12年でPMPのわたしが、書いていきます。
目次
そもそもキックオフミーティングのタイミングって?
正直、プロジェクトの規模や内容で「ケース・バイ・ケース」です。
それほど大きくない案件では、プロマネ自身がほとんどの部分をミーティング前に詳細まで計画してしまう場合があります。
チームメンバーは、作業内容の詳細説明を受けることになり、ミーティング後には決められた作業を黙々とこなすだけです。
しかし、数年単位の大規模な案件になってくると話しが変わってきます
プロマネ1人ではプロセス詳細計画までは出来ませんので、ミーティング後に「チームメンバーの協力が必要」です。
そうなってくると、ミーティングの内容はまだ概要のレベルといったところでしょうし、「決まっていないこと」についてもメンバーに説明することになります。
ようは、キックオフミーティングのアジェンダについてはある程度の決まりがあるものの、「情報の粒度は案件により毎回違う」ということです
ですので、ミーティングのときに「わかっていることをメンバーに全て伝える」ということが、まずは大切になるということですね。
それでは、ミーティングのアジェンダについて説明します。
キックオフミーティングのアジェンダ
「5W1H」を基本にまとめると、わかりやすくなります。
アジェンダの作り方は、以下の通り。
キックオフミーティングのアジェンダ
- プロジェクトの目的(Whyどうして)
- おおよその内容と成果物(Whatなにを)
- 承認されている予算(How muchいくらで)
- マイルストーン・スケジュール(Whenいつまでに)
- プロジェクトの体制図(Whereどこで、Whoだれが)
- コミュニケーションのルール(Howどのように)
- 補足内容(ミーティング後について)
1つづつ全てを細かく説明しているとミーティングの時間がいくらあっても足りなくなるので、「要点をまとめたスライド」を説明資料として用意します。
事業戦略やWBS、コスト内訳などの詳細資料がある場合は、添付資料として配布するようにするといいですね
追加説明が必要になった場合に、臨機応変に対応できるようにしておいてください。
それでは、内容について説明していきます。
プロジェクトの目的
プロジェクトが発足された「背景やビジネス上の理由」が目的です。
会社や組織にとって、どんな利益やメリットがあるかを明確にします。
メンバーがイメージをしやすいように、中長期の事業戦略のなかでの活動の位置づけや、金額効果などをより具体的に説明するとよいでしょう。
大方針となる目的がボヤッとしていると、進む方向性を見失います
目的はそのまま「仕事の意義」となって、「チームのモチベーションになる」ので、メンバーがしっかりと「自分ごとに感じるまで伝えること」が重要ですよ。
▼プロジェクトの目的については、関連記事でもさらに説明しています。
キックオフミーティング前には、「プロジェクト憲章の作成」も必ず必要になりますので、合わせて読んでみてください。
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プロジェクトの内容と成果物
プロジェクトの目標となる「Q(品質)C(コスト)D(納期)」のうち、「Qの品質目標」になるところです。
作業範囲と内容、どんな目標を達成すればよいかを書くようにします。
キックオフミーティングの段階では、WBSでの作業分解まで終わっていないかもしれませんので、作業の内容についてはおおよそでもOKです。
ですが、メンバーが作業のボリュームを自分たちで見積もれるように、計画での作業範囲とともに、「範囲外」も忘れずに伝えるようにしましょう。
やることだけを伝えておくと、「やらなくてよかった範囲外の仕事」までやっていたなんてことが、作業開始後によくあるからです。
手戻りやムダな作業をさせないためにも「やらなくて良い仕事」を伝えておくことで、作業効率を上げることができますね。
承認されている予算
すでに認可されている「予算と内訳」を書くようにします。
①ハード費用(機器費、部品費)
②ソフト費用(設計費、開発費)
③人件費(外部人材、内部人材)
④備品費、仮設費、経費
⑤予備費(プロジェクトによる)
内訳は案件によりそれぞれ変更すれば良いと思いますが、ミーティングの段階では項目はあまり細かく分解しなくてよいでしょう。
作業がはじまれば、コストが細分化され精度が上がってきます。
ですので、「費用の内訳とコスト目標」を伝えて積算の上限を周知できれば十分です。
マイルストーン・スケジュール
計画から終了までの、「概要スケジュール」を書きます。
このとき、「マイルストーンやクリティカルパス」も書いて、特に重要になってくるイベントや作業のつながりだけは、日付まで伝えるようにします。
「計画全体の日程感を持ってもらうこと」が、なにより重要です
いきなりWBSで詳細日程を説明しても、ミーティングではじめて計画内容を聞いた参加者はまだピンとこないでしょう。
数ヶ月単位のプロジェクトであれば、まずは1ヶ月単位のガントチャートで十分です
そうであれば、おおまかな日程をマイルストーンと一緒に説明して「計画開始~終了までのイメージや流れを共通理解してもらうことの方が効果があります」のでオススメです。
プロジェクトの体制図
体制図では、計画に関わる「全ての関係者とメンバー名」を書き出します。
ピラミット状の体制図で組織が図形化されることが多いですが、「役割と責任、権限」についても一緒に書くようにしましょう。
▼こちらの関連記事で、体制図について詳細を説明しています。
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✓体制と役割をミーティングで知らせることは、重要ですよ!
ミーティング後にチームが「すぐに次の行動を取るため」には、体制図の説明が大切です。
キックオフミーティングのあとに、各グループでの小ミーティングが必要になるからです。
プロジェクトの内容をどんなに丁寧に説明しても、各メンバーはすぐに作業に移れません
なぜなら、まだ疑問点があるメンバーもいるでしょうし、各作業リーダーは作業の振り分けをメンバー全員と始めたいと思うでしょう。
ですので、メンバー同士が自主的に情報交換したり、小ミーティングを開いたりするためには、グループ分けやレポートラインをしっかりと伝えることが重要です。
コミュニケーションのルール
プロジェクト実行中の「会議や打合せ」、「コミュニケーションのルールについて(メール、ファイル形式など)」を書きます。
プロジェクトが始まってから、関係者を調整して会議日程などを決めると大変なので、事前に決めるようにします。
具体的な内容としては、
会議や打合せ表
①会議や打合せ名称
②出席者
③目的、内容
④開催頻度、時間
⑤日付(決められれば)
コミュニケーションルール
①メール
・題名の付け方
・宛先(To、CC)の定義
・本文の書き方
②ファイル形式やツール
・配布するファイルの型式
・共有ツールとして使うアプリやソフトウェア
③資料などの回覧・承認
・提出時期・日程(返信期限など)
・提出者、回覧者、承認者
・提出方法(紙、メール)
などですね。
PMBOKの定義では、「プロジェクトの成功はステークホルダー(関係者)の満足度で決まる」としています。
それぐらいコミュニケーションの良し悪しが、プロジェクトに大きく影響するということです。
忘れがちな項目ですが、しっかりと計画するようにしましょう。
補足内容(ミーティング後について)
キックオフミーティングが終わった後の「直近の予定」を書きます。
各グループが「まず何から作業に取り掛からなければいけないか」をはっきりさせるためです。
こんなことって、ありませんか?
打合せに参加して、プロジェクトの目的や内容を聞いているとよくわかるし、自分の役割や責任についても理解できた。
「よし、これから新しい仕事が始めるぞ!」とやる気も十分。
ところが、いざ「まず自分はなにをすればいいんだ?」と考えてみると、なにから始めればよいかがわかっていなかった。
ぶっちゃけ、ありますよね。
直近の予定をメンバーに知らせることで、すぐに始めなきゃいけない作業を明確にします。
そうすることで、チームの次の行動を後押しすることにでき、「スタートダッシュを助けます」のでスムーズに計画が動き出すようになります。
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資料はインタビューでブラッシュアップ
「事前にプロジェクトオーナーや上司にインタビューしたり、どんどん資料を見せてコメントをもらう」ようにしましょう。
自分だけで作った資料では、不安だからですね
プロジェクトの目的や内容、注意点など「オーナー達の思いをちゃんと資料で伝えられるか」を確認してもらうようにします。
ミーティング参加者にとっては、資料や説明で聞くことがプロジェクトに関する情報の全てになります。
ちょっとしたニュアンスや表現を間違うと、1番大切なプロジェクトの方針や方向性を誤って伝えることになってしまい、後々面倒です。
上司からは「一度説明しただろ」なんて言われるかもしれませんが、「すみません、お願いします」と下手にでて、必ず確認してもらいましょう
一度間違った情報をメンバーに発信してしまうと、あとから訂正して回るほうがよっほど「労力と時間のムダ」です。
ですので、「自分の理解がオーナーたちの考えと合っているか」ということを事前にインタビューして、資料をブラッシュアップしてください。
まとめ キックオフミーティングのアジェンダ
ポイント
その①キックオフミーティングのアジェンダ
その②資料はインタビューでブラッシュアップ
今回は「キックオフ・ミーティングのアジェンダ」をご紹介しました。
わたし個人の経験では、キックオフミーティングで特に気にしていることは「メンバーがすぐに作業に移れるようにする」ということです。
車の暖気運転や準備運動と同じで、プロジェクトでは計画開始の時期が作業の進捗が1番遅くなるためです。
スタートダッシュできるように「すぐに必要になる情報」を確実に伝えるように、アジェンダ作りでは気をつけます。
具体的には「担当や役割はなにか」「だれに相談すればよいか」「直近のアウトプットはなにか」というようなことです。
「基本情報は5W1Hで簡潔にまとめて、次の行動を取れるようにする」
これがキックオフでのアジェンダの正解ではないでしょうか?
それでは、今回は以上です。