こんにちは、MARCUSです。
プロジェクトマネージャーを目指しているけど、必要なスキルや役に立つ資格は?
そんな疑問について、わかりやすく説明します。
建設業界(いわゆる工事業界)でプロマネ歴10年(PMP@資格あり)の私がお話しますよ。今は、常夏のマレーシア在住です。
結論からいいますと、プロジェクトマネージャーに必要なスキルは、3つです。
1.マネージメント・スキル
2.ビジネス・スキル
3.リーダーシップ
それでは順番に説明していきます
必要なスキルと資格だけ知りたいという方は、見出しの1と2は、飛ばしてOKです
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目次
そもそも、プロジェクトとはどんな仕事?
そもそも、プロジェクトとはなんでしょうか?
自分がすでに仕事をしている、もしくはこれからプロジェクトの仕事を目指す場合は、多くの時間を過ごす環境になりますのでまずはプロジェクトという仕事について確認しましょう
ユニーク(独自性)で、始まりと終わりがある(有期性)仕事が、プロジェクトです。
PMBOK(Project management body of knowledge)は知っていますか?
アメリカの非営利団体 プロジェクトマネジメント協会(PMI)が発表し、プロジェクトマネージメントの手法やノウハウについて体系だててまとめたもので、事実上、国際標準として各国で浸透しています。
私もPMIの会員ですので、会員特典として最新PMBOKを
提供頂いています。
PMBOKではすべての仕事は、定常業務とプロジェクトに分けられるとしています
まあ、プロジェクトマネージメントの協会ですからね
ポイント
定常業務は「変化のない反復的な仕事を継続的に行うこと」
プロジェクトは「独自の製品サービスを創造するため実施される有期的な業務」
ポイントは独自性→ユニークであること、有期性→明確な始まりと終わりがあることです
定常業務の反復的→繰り返し、継続的→終わりがないとは、反対と理解すればOKです
わかりやすくするために、定常業務とプロジェクトの違いを、製造業で例えますね。定常業務とプロジェクトの関係を理解してね。
定常業務とは、売上を上げるための日常業務です
製造業ですと、営業が注文を取り、材料を仕入れて、製造が製品を生産して出荷する
工場での生産活動をサポートするために総務や経理、生産管理部門も業務を行う
これらを総じて定常業務と言います
反復的 → 作業基準書やマニュアルに則り、作業すること。
継続的 → 売上を上げる活動は継続しますので終わりはありません。
プロジェクトは、こういった日々の定常業務の中から企画されることがほとんどです。
- 受注活動を促進する新しい営業管理システムを作るプロジェクト
- 工場での材料ロスを低減する改善プロジェクト
- 海外生産に向けた海外工場新設プロジェクト
どのプロジェクトも定常業務の中で出た課題を解決するために必要とされる手段です。
内容には独自性があり、実施期間も有限で始まりと終わりがあります。
定常業務から切り離されたプロジェクト専属チームが組織されることが一般的です。
ただし、定常業務とプロジェクトはぜんぜん別物かというと、そんなことはありません。
プロジェクトを進めるには定常業務からのサポートは重要ですし、プロジェクトの成果は定常業務へと移行・移管されて完了となります。
むしろ、切っても切れない関係です。
大きなプロジェクトチームで仕事をすると、自分がプロジェクト業務をしているとわかりやすですが、専属チームが組織されないような小さなプロジェクトでは、なかなか自分がプロジェクト業務をしているということがわからないかもしれません。
例えば、ワークショップのような各部署からメンバーが集まって行うような仕事です。
メンバーは、定常業務とプロジェクトを掛け持ちしてします。
こういった仕事でも、独自性のある目的、目標があって、ワークショップという単位でスケジュールに従って活動しますので、これも一つのプロジェクトだと思います。
今まで気が付かないうちに、プロジェクトで仕事をしていたかもしれませんね。
ユニーク(独自性)で、始まりと終わりがある(有期性)仕事が、プロジェクトです。
さて、プロジェクトという仕事についてわかったでしょうか?
次は、プロジェクトマネージャーについてご説明します。
プロジェクトマネージャーって、どんな仕事?
まず、PMBOKではどのように言っているでしょうか?
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの目標を達成するために、プロジェクトチームのリーダーシップに重要な役割を果たす。この役割は、プロジェクト全体を通して明確化される。(中略)プロジェクトマネージャーの役割は組織ごとに異なることがある。
PMBOK 第6版、プロジェクトマネージャーの役割 3.1概要
プロジェクトマネージャーは、プロジェクト目標を達成することに責任をもつチームをリードするために、母体組織が任命する人物である。
PMBOK第6班、3.2プロジェクトマネージャーの定義
プロジェクトマネージャーとは、プロジェクトの成功に責任を持つ人のことです。
これは、どの会社でも共通した認識だと思います。
プロジェクトチームをリードして、与えられた資源(人、予算、スケジュール等)の中で、目標とした成果を達成するということです。
役割としては、シンプルでわかりやすいですね。
プロジェクトの成功請負人です。
注意ポイント
ここで注意したいのは、私の経験上その権限や役割は会社や組織によって違うことがよくあります。プロジェクトマネージャーに任命された時には、状況をよく確認しプロジェクトの成功が実現可能かということも合わせて検討しなければいけません。
1.プロジェクトマネージャーの任命時期(出来るだけ早いほうがよい)
2.プロジェクトマネージャーの権限範囲(どこまで裁量で決めてよいのか)
3.プロジェクト専属チームの有無(掛持ちの場合、他マネージャーとの調整)
4.プロジェクト目標の現実性(品質、コスト、日程は現実的か)
引き受けた時に修正や変更が必要なことは遠慮せずに言いましょう。
プロジェクトが失敗すると、その責任を取る必要がありますよ。
次に、プロジェクトを成功に導くために必要なスキルについて説明します。
プロジェクトマネージャーに必要なスキルとは?
マネージメント・スキル
ここで言いますマネージメントスキルは、プロジェクト・マネージメントスキルです。
プロジェクトマネージメントは、その言葉の通り「プロジェクトを管理すること」です。
プロジェクトチームを成功に導くために、プロジェクトに合った最適な手法を選択する能力があるということが必要です。
主に品質(Q:Quality)、コスト(C:Cost)、スケジュール(D:Delivery)やリスクを含むプロジェクトの要素を管理します。
かんり【管理】
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よい状態であるように気を配り、必要な手段を使ってとりさばくこと。
プロジェクト管理手法はさまざまですが、「PMBOK」もその一つです。世界で一番浸透している基準を考えて問題ありません。
QCDの進捗を確認し、結果をチーム全体に文書としてフィードバックし、指示します。
問題が発生した際にはチームとともに問題解決にあたり、決断力も求められます。
プロジェクトを見渡す視野をもち、何が優先かを的確に認識する能力も求められます。
マネージメント手法は誰でも勉強出来ますが、「問題解決力」や「決断力」は経験値が大きいですね。いずれにしても、全体を常に見渡す広い視野を養うことが大切です。
ビジネス・スキル
プロジェクトマネージャーはプロジェクトが企画されたビジネス的な背景も合わせて理解する必要があります。
事業価値が最大限化されるように、プロジェクトを進めるということです。
市場や市況、その事業市場のトレンドです。
目標が設定された背景や理由がわかっていると、問題が発生したときの優先順位のつけ方や解決策の選択に役に立ちます。
プロジェクトだけでなく、さらにその先まで視野を広げましょう。
自分の立ち位置や仕事の価値というものが見え、また、決断時の判断基準になりますよ。
ビジネススキルは、顧客や組織の上層部と話をするときにも、必要なスキルです。
プロジェクトの意義をメンバーに説明するときに、自分たちの仕事が市場にどのような影響があるかを合わせて説明出来れば、モチベーションを上げることにもつながります。
ビジネススキルは、会社で管理職になるにも、独立して事業をするにも役に立つ知識だよね。ビジネス書や雑誌なんかを読んで、常に感度を良くしておこう。
リーダーシップ
プロジェクトマネージャーにもっとも求められるスキルが、リーダーシップです。
プロジェクトマネージャーは、チームをリードして、プロジェクトを成功に導きます。
チームを組織するのは、人です。
チームメンバーを統率し、モチベーションを与えながら導くことが重要です。
明確なビジョンを持ち、楽観的でポジティブ、協調的で誠実、良きリーダーとなる必要があります。
有名な話で有能なプロジェクトマネージャーは、時間の80%以上をコミュニケーションに使うという調査結果もあります。
コミュニケーションを十分に取って、メンバーやステークホルダーとの信頼関係の構築が、いかにプロジェクト成功には重要かということがわかりますよね。
もう一つは、「政治的に対応するスキル」です。交渉や権威利用に関する能力です。
有能なプロジェクトマネージャーは、権威を効果的に利用し、交渉術に長けています。
1.納期短縮や費用の削減等で、外部調達先と交渉する
2.与えられた職位を利用し、他部署の協力を得る
3.上司の後ろ盾を利用し、プロジェクトに追加資源を確保する
権利・権威を積極的に利用することがあります。
プロジェクトの成功確率を上げるためには必要なスキルです。
やっぱり、プロジェクトへの熱意が、成功確率を上げるキーワードだよね。やる気とモチベは、目的達成には何事にも大切です!
プロジェクトマネージャーの資格とは?
私は、先ほどご説明したアメリカの非営利団体 PMIにより運営されている国際資格「プロジェクト・マネージメント・プロフェッショナル」(Project management professional:PMP)をお勧めします。
日本国内では、IT系、建設工事系等でいろいろと個別の国内資格はあると思いますが、
国際的に通用する資格となるとプロジェクトマネージメントでは「PMP」になります。
私のように、海外での仕事を視野に入れている方には、特におすすめです。
PMP試験申し込みの条件は、
1.経験年数
高卒/大卒以上で60/36か月以上のプロジェクトマネージメント経験と
7500/4500時間以上のプロジェクトを指揮する立場での実務経験
(申請時に経験詳細記入要)
2.プロマネ研修
35時間以上の認定プロマネ研修の完了(カリキュラムは、いろいろ選択可能)
事前講習があったり、試験申請が英語であったりと少しハードルが高いですが、
国際的に通用する資格とともに、プロマネ経験の証明が同時に得ることができます。
ポイント
日本国内よりも海外の方がPMPに対する需要は高いと感じます。
海外での仕事を将来したいと思っているなら、ほぼ必須の資格だと思います。
また、PMP資格は 3年毎 に更新が義務付けられています。
60PDU以上 の継続学習が義務です。(PDU:Professional development unit)
要は3年間で60時間以上、プロマネとして継続的に学習を続けて向上しなさいということですね。
講習会に参加したり、本を読んだりすることで学習時間を確保します。
メモ
「本を読んで勉強する」ことをお勧めします。
隙間時間で学習できるし、自分で好きな本を自由に選べます。
ノルマ達成は、それほど大変でもありませんよ。
継続学習をプラスにとらえて、自己研鑽を続けよう!
▼PMBOKにプラスでPMP試験の学習にオススメ本です。
まとめ プロジェクトマネージャーに必要なスキル・資格とは?
1.マネージメント・スキル
2.ビジネス・スキル
3.リーダーシップ
4.資格:Project management professional(PMP)
プロジェクトマネージャーに必要なスキルと資格をまとめました。
プロジェクトマネージャーは、成功請負人です
プロジェクトの目標達成のため、知識・スキル・経験を総動員してチームメンバーをリードするということがわかりましたか?
「ビジネススキル」や「リーダーシップ」は出世するにも起業するにも必須のスキルだと思いますし、「マネージメントスキル」はプライベートでも応用できる手法です。
プロジェクトマネージャーを目指さしても、目指さなくても若いうちから少しづつ身につけておきたいスキルだということは間違いないですね。
大変な仕事だけど、人間性を高められるし、プロジェクトが成功したあとの達成感は最高だよ。将来性のある仕事だと思うよ。
それでは、みなさんの参考になれば、うれしいです。
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