こんにちは、MARCUS(マーカス)です。
「プロマネになったけど不安です。どうすればいいの?」
そんなプロマネ初心者の悩みにお答えしますよ。
本記事の内容
その①全てはプロジェクト〇〇のために!
その②成功の鍵は、誰かの満足度?!
その③チームのやる気はプロマネ次第?!
その④スケジュールには余裕を作らない。
その⑤無理なものは無理!と言う勇気。
10年以上もプロマネをしていれば『どうすればプロジェクトがうまくいのか』、自分なりのコツもわかってきました。
ですが振り返ってみると、初心者のうちはいつでもうまく行くのか不安の連続でしたし、トラブルでお先真っ暗なんてこともよくありましたねぇ。
今思えば、大したトラブルではないんですがw
そこで今回は、自身の経験からプロマネ初心者のあなたに『プロマネになったら知っておきたい5つの心構え』についてシェアしたいと思います。
初心者でなくても、『イマイチうまくいかない』ってモヤモヤしている中堅プロマネにもオススメの内容です。ぜひ、参考にしてください。
目次
その①全てはプロジェクト〇〇のために!
結論から言うと、プロマネのあなたが何かを決める時は『全てプロジェクト成功のため』という基準で判断してください。
まずは、判断の基準となる軸をしっかり持ちましょう。
これを理解するためには、そもそも論、『プロジェクトマネージャーとはなにか?』というところから、まずは知らなくちゃいけません。
プロジェクト・マネジャーは、プロジェクト目標を達成することに責任をもつ。チームをリードするために、母体組織が任命する人物である。
PMBOKガイド 第6版「3.2 プロジェクト・マネジャーの定義」
『目標達成=成功させる』ということが、プロマネの責任です!
なんだかいきなりスゴいことを言ってますが、まずは聞いてくださいね。
プロマネになると、一番はじめに戸惑うのは『判断をすること』です。
日常的に起こるトラブルや変更への対応、時にはスタッフの言い争いの仲裁や解決など、リーダーのあなたには多くの場面で判断が求められます。
スタッフの時にはなかった役目なので、はじめは戸惑いますよね。
あなたの判断によって、「プロジェクト業務の方向性が大きく左右されたり」、「スタッフたちの日々の仕事内容が変わってくる」ということを、まずはあなた自身がよく理解しなければいけません。
そんな時に、あなたの意思決定に一貫性がなかったらスタッフはどう感じるでしょうか?
『今日と昨日で言っていることが違う。』
『上司からの注文には、すぐに意見を変える。』
『作業変更が多すぎて、やってられない。』
なんて、スタッフから陰口を言われてしまいかもしれませんね。
あなたの判断の軸がブレると、プロジェクト全体が「負のスパイラル」に陥りやすくなります。
作業のやり直しが発生し、『スケジュールが遅れる⇒作業工程の再調整により、作業効率が悪くなる⇒スタッフのモチベーションが下がり、職場の雰囲気が悪くなる』といった具合です。
場合によっては全てが悪い方向に進み、その結果として、『プロジェクトが炎上』なんて最悪の状況にもなりかねません。
想像しただけで、怖くなりますね。
プロマネであるあなたが『ブレない軸を持つこと』は、スタッフのモチベーションを維持し、プロジェクトをスムーズに進めるためには、とても大切です。
そのブレない軸の基準を『プロジェクト成功のためと一貫性を持たせること』で、スタッフ一人ひとりがあなたの判断を受け入れやすくなります。
納得できる理由であれば、作業変更による多少の苦労は受け入れられますよね。やっぱり人の判断でも、自分自身で納得できることかどうかで、モチベは全然違ってきます。
ですので、まずは『全てはプロジェクト成功のために!』をあなた自身のスローガンして、周りのスタッフ達と共有してください。
そうすることで、急なトラブルや変更にも同じビジョンを共有したチームが全員一丸となって、臨機応変に問題に対応することができるようになります。
みんなで同じ方向に進んでいると共感しあえるチームであれば、モチベも高くプロジェクト成功の確率が一気に高くなります。(本当ですよ!)
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プロマネを始めとするチームを率いるリーダーに欠かせないものが『リーダーシップ』です。「どうすればスタッフがついてくる良いリーダーになれるのか」について、もう少し詳しく知りたい方はこちらの関連記事をどうぞ。
その②成功の鍵は、誰かの満足度?!
ずばり結論ですが、成功の鍵は『プロジェクトオーナーがあなたのプロジェクトの結果に満足したかどうか』で決まります。
プロジェクトに対して、お金を払う人の満足度ということですね。
理由は単純明快で、オーナーがプロジェクトの結果に満足することではじめて『プロジェクトは成功したと判断されることになる』からです。
例えば、約束通りの成果をあげたのに、最終報告会でオーナーがその結果に不満そうな顔をしている場合、その結果はどう判断されるでしょうか。
『なんだよ、せっかくうまくいったのに。』なんて思っちゃダメですよ。(気持ちはわかりますがw)
おそらくオーナーは、プロジェクトの結果に満足していませんね。
例えば、コミュニケーションが適切ではなくオーナーに何らかの悪い印象を与えて続けてしまった。もしくはオーナーのプロジェクトへの期待値が実はもっと高く、約束以上の結果を期待していたなんて理由かもしれません。
いかなる理由にしろ、何らかの不満があるのは明らかです。
それによって、出てくる弊害・デメリットとは、何になるでしょうか?
別に約束達成したんだから、オーナーがどう思おうが関係ない!とは言い切れませんよ。
なぜなら、あなたが所属する組織や会社にとってのプロジェクト成功の定義は、『次のビジネスにつながる結果』だからです。
この場合、次の仕事はもらえそうでしょうか?もしくは、あなたに是非プロマネをもう一度やってほしいと言ってもらえるでしょうか?
多分、難しいでしょうね。
もし、あなたがフリーのプロマネであればもっと切実ですね。次回の仕事がもらえるかどうかは死活問題です。
次の仕事につながらないということであれば、残念ながらプロジェクトの結果は、組織や会社にとって、成功したとは判断されないでしょう。
約束通りの成果を出したのに、オーナーも不満そうで自分の会社からも成功と判断されないとなれば、そのプロジェクトは失敗と言わざる得ません。
厳しいことを言うようですが、「プロジェクトを約束通りに完了させる」ということは、オーナーからすれば「お金を払う最低限の要求」であって、更に「プラスアルファの何か」がないと「その結果に満足してくれない」ことがほとんどです。
オーナーからの期待値(プラスアルファ)は、人それぞれです。
1.コスト削減や納期短縮をもっとしてほしかった
2.もう少し品質や使い勝手を良くしてほしかった
3.もっと進捗報告を綿密にしてほしかった などなど。
オーナーのプラスアルファの期待値に答えて、結果に満足してもらう。そうすることで次のビジネスにもつながり、会社にも成功として判断される。
このWin-Winの関係があって初めて「プロジェクトは成功した」と誰からも言ってもらえるようになります。
ですので、『プロジェクトオーナーの満足度が成功の鍵だ』という意味がわかった頂けたでしょうか。
じゃあ、オーナーの機嫌取りしてればいいんじゃないの?!
なんて言われそうですが、それでよければそんな楽なことはありませんね。
あくまでも、品質・コスト・納期といった目標を達成した上で、さらにオーナーを満足させるような行動や結果があると、よりプロジェクトが成功と判断される可能性が高くなるということです。
そこのところは、勘違いしないようにお願いします。
オーナーの期待値を管理することも、プロマネの仕事ですからね。
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オーナーを含めプロジェクトの関係者を『ステークホルダー』を言います。ステークホルダーをマネージメントすることは、プロジェクトの成功には必要不可欠です。どのようにステークホルダーを管理・コントロールすれば良いのかもう少し詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。
プロジェクト成功の秘訣【答え:ステークホルダーマネージメント】
その③チームのやる気はプロマネ次第?!
チームのやる気は、『プロマネであるあなたの行動次第』です。
なぜなら、スタッフにとって、プロジェクト期間中はあなたが直属の上司であり、「自分の評価があなたに委ねられている」と感じているためです。
プロジェクトのために集められたスタッフは、自分が担当した作業の結果以上に、計画全体の成否がそのまま自身の評価になると思っています。
わたしも自分の経歴には、成功したプロジェクトをどんどん書き込みたいですからね。w
その指揮官である「あなた」の行動を見たり聞いたりすることで、計画の成功確率を予想しているでしょうし、また、リーダーである「あなた」が発する一言で、自分自身の作業負荷や効率が大きく変わることも日々感じています。
そんな作業環境の中では、リーダーであるプロマネの行動次第で、スタッフ達のやる気やモチベーションが大きく左右されることが推測できますね。
じゃあ、どうすればチームのやる気を出させることができるのか?
わたしの経験から、結論は以下の通りです。
①一貫性のあるビジョンをスタッフに伝え続ける
②スタッフの話を徹底して聞いて、コミュニケーションを図る
①一貫性のあるビジョンをスタッフに伝え続ける
機会があるたびに『プロジェクトの意義』をあなたの口から直接スタッフに伝えるようにしてください。
そうすることで、自分の仕事がどのように顧客や自分の会社、しいては、社会の役に立つのかをスタッフ自身が理解することにつながります。
何のためにしているのか、とプロジェクトの意義を大きな視点で伝えましょう!
社会的欲求を満たすことで、仕事へのモチベーションが高くなります。
それは、そのまま作業精度や効率の向上につながりますので、プロジェクトがより成功に近づくことにもなります。
「わかっているだろう」と疎かになりがちですが、何度でも事あるごとに『あなたのビジョンとして仕事の意義を伝えること』は、チームが同質の高いモチベーションを保つためには、とても重要なことです。
夢を語るリーダーに、スタッフはついてきます。本当ですよ!
②スタッフの話を徹底して聞いて、コミュニケーションを図る
あなたは聞き役に徹し、とにかくスタッフの話をよく聞いてください。
現場の状況をよく知ることで、「裸の王様」になることが防げます。
『聞く・聞く・聞く!』忘れないように、わたしは毎朝3回唱えます。
コミュニケーションを徹底することで得られる効果は以下の2つ。
1.「トラブルとなるリスク」を早期に見つけられる。
2.スタッフの「承認欲求」が満たされて、やる気につながる。
些細なことでもスタッフの話を聞いていれば、その中から今後トラブルにつながりそうな状況や心配点を聞き出せるかもしれません。
挨拶や他愛もない世間話を続けることで、スタッフの方からも話しかけやすい環境作りも合わせて心がけます。
そうすることで、作業の進捗報告や問題点・心配点などを『自発的にスタッフの方から相談にくるようになれば、とりあえず一安心』です。
また、プロジェクトの責任者であるあなたがスタッフの話を熱心に聞くことは、彼ら彼女らの「承認欲求を満たす」ことにもなります。
目上の上司が熱心に自分の意見を聞いてくれた時は、うれしかったことを思い出しますね。
「リーダーがわたしの意見を尊重してくれる」と感じたスタッフは、あなたのチームの一員としての仕事をすることにやりがいを感じ、普段以上の成果を出してくれること間違いなしです。
チームのやる気を出させる方法をまとめると、
①明確なビジョンを直接あなたの口から伝える
②スタッフの話を熱心に徹底して聞く
『プロジェクトは、チームで行うもの』、スタッフのモチベーションを高く保つことができれば、プロジェクトが成功する確率はまた一歩高まります。
どちらも当たり前のようで、実は出来ていないプロマネがよくいます。
『チームのやる気はプロマネであるあなた次第』の意味とその重要性がわかっていただけたでしょうか?
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スタッフのモチベーションアップについて、もう少し詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ。
スタッフのモチベーションを上げる方法は?|現役プロマネが語ります。
その④スケジュールには、余裕を作らない。
スケジュールに余裕があると、以下の理由でスケジュールが遅れます。
①ギリギリにならないと作業を始めない「学生症候群」
②時間はあるだけ使ってしまう「パーキンソンの法則」
残念ながら、自分が担当した作業に時間的な余裕があると、スタッフは作業をすぐには開始しません。
作業を始めない理由はさまざまでしょうが、残念ながらこれが現実ですね。
その人間心理は、夏休みの宿題をギリギリまでやらない学生に例えて「学生症候群」と呼ばれています。
また、作業の開始は早かったものの、時間に余裕があるからと余計な機能を追加してみたり、途中に違う仕事をしてみたりすることもよくあります。
時間はあればあるだけ、作業に費やされてしまう現象を「パーキンソンの法則」と言います。
どちらも人間心理から起こる行動ですので、良い悪いという話ではありませんが、スケジュールを遅らせないためには大きな障害になります。
そこで、スケジュールには余裕を作らず、50%くらいの確率で作業が終わるように計画を立てることで「学生症候群」や「パーキンソンの法則」を事前に予防します。
もちろん、プロジェクト全体ではバッファ時間を確保し都度起こるトラブルに対処しなければいけませんが、個別の作業スケジュールには余裕を設けないということです。
「スケジュールに余裕がなければ」プロジェクトは予定通りに進む可能性が高くなる。ということ覚えておいてくださいね。
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余裕のないスケジュールでプロジェクトを成功させる具体的な方法をこちらの記事で解説しています。
クリティカルチェーン|失敗続きだったプロマネの成功の秘訣
その⑤無理なものは無理!と言う勇気。
プロジェクトを成功させることが、『プロマネの責任』です。
ですので、オーナーや上司から言われた時点で『出来ないこと、無理なことは無理』!ということも、プロジェクトを成功させるためには大切です。
達成が難しそうなことを安請け合いしてしまうことで、「作業の結果が思わしくない⇒やり直しでスケジュールが遅れる⇒工数が増えてコストが超過する」という典型的な失敗パターンに陥ります。
失敗の責任を追求される時に「やっぱり無理だと思っていました」、なんて言っても後の祭りです。
あとから何と言っても、プロジェクト失敗の責任は結局『プロマネのあなた』となりますね。
そうならないためにも『無理なことは無理!』と言えるようにしましょう。
ここまで書くと「そんなこと言える訳ない!」「言ったらプロマネを降ろされる!」と反論があるかもしれませんね。
そんなことは、わかってるんです。私自身も意見できるようになるまではだいぶ時間がかかりました。
そういう場合は、困難な要求に対応することで、プロジェクトに出てくる影響を理路整然と書類にまとめて報告しましょう。
「予算、時間、専門家などの人材」。あなたが要求達成のために必要となる資源を前向きにポジティブな言葉で提案しましょう。
もし、全く提案が通らずにプロジェクトが失敗した場合でも、書類という記録があれば、レビュー会議のときにいくらかの言い訳にはなります。
でもやっぱり、出来ないことは出来ない!と言えることがまずは肝心だと思いますね(経験談)。前向きな言葉を選んで、ぜひダメ元で一度意見してみてください。
まとめ プロジェクトマネージャーなら知っておきたい5つの心構え!
本記事の内容
その①全てはプロジェクト〇〇のために!
その②成功の鍵は、誰かの満足度?!
その③チームのやる気はプロマネ次第?!
その④スケジュールには余裕を作らない。
その⑤無理なものは無理!と言う勇気。
今回は、自分の経験を踏まえて『プロマネの心構え』をご紹介しました。
よく言われる言葉に『プロマネの仕事の◯◯%は、コミュニケーション』というのがあります。
初心者の時にはよくわかりませんでしたが、今では身を持って『全くもってその通り!』と断言できるようになりました。少しは成長したということでしょうか。www
オーナーや上司、外注先との折衝や交渉。チームスタッフからの報告へのアドバイスや日々の雑談。
常にコミュニケーション力を養い続けて、Win-Winな会話作りを心がけなければ、とてもプロマネは務まりませんね。
俺の背中について来い!なんて昭和の体育会系バリバリでは、振り返った時に誰もいない?!なんてことになりかねません。注意してくださいね。
ご紹介した心構えを実践するためにも、まずは『コミュニケーション力を養うこと』が、お互いにプロジェクト成功への近道かもしれませんね。
■参考書籍
スタッフとの付き合い方に悩んていた時、マネージャーとして何が欠けているのかを気づかせてくれた本です。著者の私見ではなく、膨大なデータを元に『マネージャーの最も大切な仕事』について教えてくれる本です。
それでは、今回は以上です。